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元自衛官の憂い The third

軍事的色眼鏡で見る世界 軍人は究極の合理主義者です。 合理主義者であるが上に、「人道」を忘れたり、犠牲にしたりすることがあります。 軍人は行動は計画的、本心を隠す、混雑する場所を避ける、計画的な金銭感覚、意志が固い、職場での信頼を得やすい、そして最後に家庭では扱いがぞんざいにされるです。 家庭ではぞんざいに扱われながらも、軍事的色眼鏡で見てしまう元自衛官の雑感などを書いていきます。
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  • :08/01/08:45

12122010 「日本必敗」

 
太平洋戦争で米国により焦土にされた我が国ですが、これを予測していた人たちがいるのをご存知でしょうか。

彼らは日米戦を想定してシミュレーションした結果、「開戦後、緒戦の勝利は見込まれるが、その後の推移は長期戦必至であり、その負担に日本の国力は耐えられない。戦争終末にはソ連の参戦もあり、敗北は避けられない。ゆえに戦争は不可能」という結論を導き出したのです。

これが戦争前に予測されていたのですから、背筋に冷たいものが走ります。


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 「原発ゼロ」と訴える政党が存在しますが、どこまで現実に即してこう訴えているのかよくわかりません。

 原発に対する不信感は理解できますが、このまま化石燃料や天然ガスの輸入を続け経済動向に連動して電気料金が高騰することを受容できるかどうかは無視されています。

 原発をゼロにするには再生エネルギー拡大、省エネと約150兆円を超える予算が必要とする試算も出されています。これによると、GDP50兆円近く落ち込み、失業者も200万人増加するというのです。

 電気料金値上げ、こうした予算の使用、失業者の増加を受け入れられるのか。それも併せて訴えるのが筋で、闇雲に「原発ゼロ」を訴えるのは国民を馬鹿にしているとしか言えません。

 それを受け入れようとする方もいるのでしょうが、原発ゼロが何を招くのかを理解しているのかどうかはわかりません。

 しかし、原発事故後、原発ゼロに異を唱えることは許されない「空気」が支配的でした。

 「総力戦研究所」という内閣総理大臣直轄の研究所が昭和15年に開設されました。

 国家総力戦に関する基本的な調査研究を目的に、官僚・軍人・民間から選びぬかれた若手のエリートが集められました。

 昭和167月、2代目の所長であった陸軍中将飯村穣が研究生に対し日米戦を想定したシミュレーションを命じました。

 研究生は日本を青国として模擬内閣まで作り、7月から8月にかけて様々な状況想定の下、軍事・外交・経済の各種データから分析し、日米戦の展開を予測しました。

 その結果が先述した「日本必敗」です。

 この結果は首相官邸に報告されました。

 東条英機陸相は、「(略)あくまでも机上演習(シミュレーション)でありまして、実際の戦争というものは、君たちが考えているようなものではないのであります。日露戦争で、我が大日本帝国は勝てると思わなかった。しかし勝ったのであります。あの当時も列強による三国干渉で、やむにやまれず帝国は立ち上がったのでありまして、勝てる戦争だからと思ってやったのではなかった。戦というものは、計画通りにいかない。~以下省略~」

 私は原発ゼロと、この総力戦研究所のシミュレーション結果をあざ笑った東条英機と相通じるものがあると思います。

 それは「空気」です。

 この空気に流されるのは、自己正当性を主張するために大声で訴える人たちの存在です。

 声が大きいだけで、その主張が正しいのかどうかではなく、声の大きさに惑わされてしまうのです。

 選挙です。正当な理由もない解散総選挙は、私たちの良識を問われているのだと思います。「空気」に流されないようにするのが第一です。

  

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