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元自衛官の憂い The third

軍事的色眼鏡で見る世界 軍人は究極の合理主義者です。 合理主義者であるが上に、「人道」を忘れたり、犠牲にしたりすることがあります。 軍人は行動は計画的、本心を隠す、混雑する場所を避ける、計画的な金銭感覚、意志が固い、職場での信頼を得やすい、そして最後に家庭では扱いがぞんざいにされるです。 家庭ではぞんざいに扱われながらも、軍事的色眼鏡で見てしまう元自衛官の雑感などを書いていきます。
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  • :11/10/11:09

12010755 「精神的に疲れます」

日本人は「リスク」と「危機」をマネージメント(管理)できないと、つくづく実感しました。

福島県沖を震源とするマグニチュード(M7.4の地震で、津波警報が発令されました。

NHKは強い口調で「避難」を訴え続けました。画面には、赤い文字で表示を繰り返し鬼気迫るものでした。

それに対し、「精神的に疲れる」などのツイートがあったようです。この「疲れる」こそ、リスク管理、危機管理への無理解があればこそ出る感想です。


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リスクとは、危険性だけでなく不確実性も包含している言葉です。横文字を後生大事にする国民性ですから、多用されてはいますが、深い意味まで理解されず使われるものですから、こうしたことを招いてしまうのは致し方ないことではあります。

「リスクマネジメント」が受け入れられたのは、2001年のことだとされています。経産省が発表したJIS規格「リスクマネジメント構築のための指針」で用いられたの最初だとされています。

ここから、リスクとクライシス(危機)の違いが明確になりましたが、残念ながら日本社会には広まっていません。

リスクは不確実性の意味も含まれていますが、危機は起きてしまった事態のダメージを減らすことが目的です。大災害、大事故の直後に設置されるのが「危機管理室」や「危機管理体制」と呼ばれることからもわかります。

一方、「リスク」はこれから起きる"かもしれない"事態に対応しようとする行動です。

重大な事態にはなぜか尻込みする日本人ですが、実は我々日本人はリスクと危機を管理できている面もあります。

雪のシーズンが近づいていますが、雪の降る可能性のある地域にお住いで車を持っていらっしゃる方は冬用のタイヤを車に装着します。

しかし、もしかしたら雪が降らないかもしれない地域だったら…。これがリスク管理です。

雪が降ってチェーンを装着させるのは危機管理になります。

「リスク管理」は常に楽観的で積極的に対処しなければなりません。

雪がどの程度降るか定かではないのに、雪が降ることを想定し、雪が降らずタイヤが摩耗することよりも雪が降ることを前提にして行動します。

これがリスク管理です。NHKの鬼気迫るアナウンサーの声を評価してこそ、「疲れます」というのはリスク管理できていない証拠です。

人的被害がほとんどなかったから、そうした感想も出てくるのでしょうが、リスク管理から考えたら全く意味のない感想です。

東日本大震災は我々日本人にとってリスク管理と危機管理の重要性を強く認識させる出来事でした。

震災は戦後の「官(国)」の規制に守られた結果平等の時代から、国に守られる範囲は限られたものであり、守られない範囲をどうするか自己責任で行わなければならないという現実があることを突き付けたのです。企業もまた同じです。

とにかく生き残ることが第一で、生き残るために迅速な判断をしなければなりません。

大きな津波が来る可能性がある、逃げるか逃げないか、どこに逃げるか、どうやって逃げるか。迅速に決めなければなりません。「死ぬ」かもしれないリスクをどうマネージメント(管理)するか、迅速な判断が要求されるのです。

判断材料の一助としてNHKが強い口調で訴えてくれたと考えれば、不自然さは全くありません。しかし、感想の中には「精神的に疲れる」と出てくるのは悲しむべき現実です。

トランプ氏の米大統領就任は、米国だけでの影響ではなく世界中に大きなリスクが考えられます。ただただ媚びへつらって大統領就任予定者に会いに行くような首相のいる国ですから仕方がないのかもしれませんが、そんな首相に付き合って同じような真似をするのは愚の骨頂というものです。

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