元自衛官の憂い The third
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02220835 | ダーイシュのテロは防げない |
『安倍よ、お前の国民を見つければ、どこにいようと大虐殺を引き起こしていく。日本にとっての悪夢を始めよう』
ダーイシュのメンバーとされる男が、後藤さんを殺害する直前に動画の中で発した「対日テロ宣言」です。
アラブの山賊テロリスト集団を「国」呼ばわりするのは疑問を感じていました。
アブドゥッラーヨルダン国王が呼んだように、今後は「ダーイシュ」と呼ぶことにします。
その後、夕刊紙などの一部が日本国内でのテロ、東京マラソンをターゲットにしたテロの可能性を報じました。
マラソンの大会を狙ったテロ、一昨年のボストンマラソン爆弾テロを思い出します。
ボストンマラソン爆弾テロは、チェチェン人移民兄弟が、米国内での疎外感が動機とされています。
ボストンマラソン爆弾テロ後、警視庁は同様のテロを警戒しましたが、ダーイシュのテロ宣言後はさらに警備を強化することを決めました。
ランニングポリスという警察官をランナーにして並走させます。
警視庁では「テロを未然に防止するため」としていますが、警戒の強化は理解しますが、小型カメラ、催涙スプレー、特殊警棒の武装で“テロを未然に防止”できるかというのははなはだ疑問です。
テロリストたちの標的になるのが関の山。状況をリアルタイムで中継する移動カメラマンと見るのが妥当なところです。
もっとも効果があるのは、運営者、スポンサー、ランナーに安心感を与えるくらいです。来年度の予算獲得には絶大な効果はあります。
スタート、ゴールの警戒も強化されるようですが、私がテロを実行するならスタートやゴール地点は狙いません。
人が大勢集まり、テロに効果的なポイントのようですが、私がテロを計画するならわざわざ警備の厳重な場所に入り込むことはしません。
沿道で道が狭く、ランナーがバラけてしまった場所を同時多発で爆弾を爆発させます。
沿道は監視の目が行き届かず出入りは自由ですから、爆発物を持ち込むのも比較的容易です。
殺傷力の高い大きな爆発より、効果的に恐怖感をあおる小さな爆弾を複数爆発させれば都内をパニック状態に陥らせることができます。
日本では銃火器の入手が難しくテロを否定的にとらえる識者もいますが、その気になれば市販の様々な物を使って爆発物や有毒物質を作ることは可能です。
でも、わざわざ旅費を使ってダーイシュが困難な日本国内でのテロをするかというと、私は可能性としては極端に低いと思います。
ダーイシュはキリスト教やイスラム教を敵視しており、無信教の日本人を敵視する理由が見当たりません。
ダーイシュにとって日本は、それほど大きな存在感はないと思います。
たまたま銃器オタクが武器を持って現れ、その日本人を捕らえて家族を脅迫したのがうまくいかず、ヤケクソになって日本政府を脅迫したと思います。
ただ心配なのは、ダーイシュが対日テロを訴えた以上、世界各地にいるダーイシュの同調者が観光や仕事で海外にいる日本人を誘拐し身代金を要求したり、殺害されるケースが考えられます。
ダーイシュに共鳴するグループは世界中に広がりを見せており、日本国内でもテロを実行する可能性は低くはありません。
ナイジェリアのサラフィー・ジハード主義組織「ボコ・ハラム」は、「ダーイシュの一部」と自ら名乗り出ていますが、〝ナイジェリア〟といえば日本では多国籍窃盗団を組織して日本国内で犯罪行為をはたらいています。
犯罪組織ですから、カネになるかどうかが問題になるでしょうが、カネにさえなればテロも起こしかねません。テロが起きるかどうか、とても難しい判断になります。ただ言えるのは、可能性はゼロではないということです。
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