元自衛官の憂い The third
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02261856 | 今さら対外諜報機関を作る平和ボケの国 |
ダーイシュの人質事件を受け、安倍首相は米国のCIA(中央情報局)のような独立した対外情報機関の必要との答弁をしました。
でも、この国は平和ボケが蔓延しているので、国民だけでなく政治かも同じ穴のムジナです。
InformationとIntelligenceの違いをわかる方はいらっしゃるでしょうか。
どちらも「情報」と日本語訳されるのですが、これがまた平和ボケの象徴のようなものです。
ネットで検索するとわかりますが、情報=諜報というのが日本人の解釈です。
情報と諜報の違いを説明すると、「情報」はあくまでも合法な手段に得るもの、「諜報」は非合法な手段で得た情報を含まれます。ですから、情報≪諜報といった関係性があります。
ネットで近所のラーメン屋を検索するのは「情報収集」です。より自分の好みの味のラーメン屋を探すのが「諜報活動」とご理解ください。
テロ対策に必要なのは情報機関ではなく、諜報機関なのですが、それを理解して変えているのか、それとも情報=諜報で解釈しているのか大きな違いがあります。
でも、テロ対策に情報機関も諜報機関も主役になることはありません。つまり、ダーイシュの人質事件で情報機関も諜報機関も必要性は無いということになります。
だからと言って、日本に諜報機関が不要というのではありません。
諜報機関が存在せず、日本は朝鮮半島や大陸での失策を生んでしまいました。
テロ対策に情報機関は無意味であり、諜報機関なら納得できますが、〝今さら〟というのが実感です。
そして何よりも問題なのは、この国の縦割りが習慣化したお役所感覚です。「国」よりも「組織」を重んじるという本末転倒な思考。国内テロと国際テロをどう区分するのか。検挙率を自慢にして旧態依然のままの警察組織。これで、この国を守るという発想はどうかしているとしか言いようがありません。
諜報とは外国政府や外国の組織・機関を転覆させることではありません。外国の政治家やスパイを丸め込んだり殺害することでもありません。
あらゆる手段で情報を収集し、その情報から国のトップが判断材料になる情報を取捨選択し提供することです。
諜報の重要性を理解するチャンスは、これまでの日本に数多くありましたが、日本政府はそれを理解しようとしないで今日まで来てしまいました。
「日本で朝鮮半島の情報収集をしようと思えば、現地から2~3時間後には詳細な状況が日本国内に入っている」ということを元警察警備部のOBから聞いたことがあります。
そして、「日本はそのネットワークを使おうとしていない」と言っていました。
保守系極右主義に洗脳されたヒトがデモやスピーチを繰り返していますが、既存のネットワークを活用すれば情報収集が可能であり、極端なことを言えば、日本から情報を発信でき政府転覆とは行かないまでも混乱に陥れることもできる可能性があるのです。
でも、それをして来なかった。だのになぜ、今さら情報機関をゼロから作り上げようとするのか理解できません。
情報機関であれば、対外情報は自衛隊内に存在しますし、国内は警察庁にというのが健全な発想ではないでしょうか。
ただ、問題は自衛体内の情報機関は日本に対する脅威対象国の情報収集をしてきたということです。となると、期待できるのは警察庁ということになります。
日本国内には、少数ではありますがダーイシュを支持するヒトも存在しています。それは、彼らと交渉のチャンネルを持つ人間が存在することからもわかります。
警備公安警察による監視を徹底し、そうした少数のヒトの動きを封じ込めることがまず第一です。
今さら情報か諜報かわかりませんが、ゼロから作るなどと悠長なことを言わず、既存の機関を拡大発展させることが急務ではないでしょうか。
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