元自衛官の憂い The third
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10290742 | 北朝鮮のおかげ |
先月22日、北朝鮮は「核脅威を口実に衆院を解散した」とし、朝鮮アジア太平洋委員会は「日本当局が自分たちの劣悪な政権運営能力で招いた国難がまるで北朝鮮の核脅威によるものかのように世論を誘導し、『危機打開の求心点』が自分たちにしかないように分別を失って振舞っている」とし、「国会解散を我が国と無理に結び付けている日本反動の黒い本音は火を見るよりも明らかだ」としました。
個人的には麻生太郎さんは好きです。麻生さんは裏取引とか寝技など政治家のダーティな能力がないようなところが好きです。
今回は北朝鮮の主張を追認してしまったわけですが、解散前まで中国をターゲットにした脅威論が日本中にはびこっていました。女性タカ派論客も、解散が取沙汰されると脅威は一転して「北朝鮮」に変わりました。
何度かお話ししていますが、北朝鮮の弾道ミサイル戦力で日本に向けられているのは、「ノドン」と日本が呼んでいた「火星7」で、これは93年以降から実戦配備されています。推定で200発以上が配備されており、移動式発射機は50基とされています。
ついこの前まで(総火演でも)「離島防衛」を高らかに主張し、対中国戦略が前面に打ち出されていました。それが降って湧いたような「弾道ミサイル脅威」ですから、正直なところ〝本気なの?〟と私が言いたくなるのもわかってもらえると思います。
50基の発射機があるのですから、50発同時に発射れたらどうなるでしょう。SM-3は37回の実験で89.1%という命中率を出しています。PAC-3は14回の実験で100%の命中率を出しています。
数字では高い確率ですが、実験の数は心許ない限りです。この実験回数で出された命中率では、「安心!」と言えるものではありません。
このように93年以降から日本の脅威だったのに、日本政府は完全無視を続けてきました。おトモダチのアメリカさんに届きそうなミサイルが出てきたような気配になった途端に、「北朝鮮脅威」で選挙なのですから、安倍晋三首相は日本国民ではなくアメリカ大統領の顔色を窺っているとしか言えません。
言っておきますが、核ミサイルを撃ち込まれた日本は終わります。東京だけでも数万~数十万の犠牲が出て、日本のすべてが機能停止します。それが、札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡などにも着弾したら日本は完全に息の根が止められてしまいます。
そんな状況でも安倍晋三首相は「圧力」と言い切っているのです。北朝鮮を選挙のネタにしたと言ってもらえたほうが救われます。日本の軍事力は限定されたもので、北朝鮮にとって日本国自衛隊はそれほど脅威ではありません。
「圧力!」「圧力!」と大声を出したところで、日本国自衛隊は北朝鮮を攻撃できませんし、日本には巡航ミサイルもなければ、弾道ミサイルもありません。おまけに爆撃機も無いのですから、日本国自衛隊が北朝鮮の脅威とはならないのです。
安倍晋三首相は、自分が勝つ為なら何でもやる男なのかもしれません。
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