元自衛官の憂い The third
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11301405 | 戦争をしたいのか |
8月15日になると季節の風物詩のように日本では「戦争」について取り上げられます。
かつては、8月6日、8月9日、12月8日などに映画や特番なども放送されましたが、今では8月15日だけがかつての戦争を省みる日になってしまったかのようです。
安倍政権が集団的自衛権行使容認で、メディアや識者たちからこんな言葉が連発しました。「戦争をする国」というものです。
一朝事あらば銃を手にすることを厭う気はない私ですが、だからと言って北大生のように好き好んで戦場に赴く気はありません。
「戦争をする国になる」と口にするメディアや識者の人たちに聞いてみたいのですが、チャンスがあれば殴りかかろう、身包み剥いでやろうと虎視眈々と伺うような国を後背に抱える日本が、こうした野蛮な国家に襲い掛かられたら、自分の家族をどう守ろうというのでしょうか。
しかし、現実的には軍事力同士のガチンコ対決だけが「戦争」ではありません。
私のような経歴を持つ人間から、現在の国際社会を見ると、すでに戦争は始まっています。
中国人民解放軍政治工作条例(三戦)というのをご存知でしょうか。
中華人民共和国人民解放軍(解放軍)における政治工作を規定した法規です。
2003年12月5日、解放軍に三戦の任務が付与されました。三戦とは以下のものです。
「輿論戦」中国の軍事行動に対する人民と国際社会の支持を得、敵が中国の利益に反するとみられる政策を追求しないよう、国内及び国際世論に影響を及ぼすこと。
「心理戦」敵の軍人及びそれを支援する文民に対する抑止・打撃・士気低下が目的。敵の作戦遂行能力を低下させる。
「法律戦」国際法及び国内法を利用し、国際的な支持の獲得、中国の軍事行動に対する反発に対処できるよう備えること。
尖閣諸島での中国の行動も、この三戦に則った行動だとみられます。
中国はガチンコ軍事衝突に備え、すでにソフトな戦争、戦争とは無関係であるかのようなこうした三戦をすでに実行に移しており、戦争する国・戦争できる国などと日本では騒いでいますが、現実はすでに戦争の真っ只中にあるのです。
日中開戦となった場合、日本では安直な兵器の性能比較だけで日本が有利であるかのような喧伝が目立ちます。
単品の性能の優劣で戦争の勝敗は決まりません。まして、日本は単品の性能は高いかもしれませんが、実際に使う弾丸や砲弾、医薬品等が十分に蓄えれられているかというと、かなり厳しい現実があります。
それを皮肉ったのが、「たまに撃つ 弾がないのが 玉に瑕」というものです。
例えば、あなたの手元に多数の拳銃が揃っていたとしましょう。オートマチック、リボルバー、口径も大きなもので威力は十分。
いざ戦わなければならない時、拳銃の数よりも重要なのは戦う意志と弾薬の量なのは誰もがわかっていることです。
今の日本にそれがありますか?
現在の日本国内の平和主義者たちの考えは、留守にしても夜でも玄関や窓の施錠をせず安穏と暮らせと言っているのと同じなのです。
私は好戦的になれと言っているのではありません。自分の家族、恋人、友人を守る気概を持てと言っているのです。
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