元自衛官の憂い The third
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07311021 | [PR] |
02021859 | 獅子身中の虫 |
イスラム国を自称するテロリスト集団により拘束されていた後藤健二さんが殺害されたと見られています。
後藤さんが殺害された可能性のニュースを知った時、説明できない怒りを感じました。
ただ保守系の論客のように「同胞意識」からではなく、日本という自縄自縛の国家に対する怒りです。
思考できない国会議員は人質事件に自衛隊の派遣を検討すると言い、思考停止したメディアもこれに追随した報道を繰り返しています。
「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」という日本国憲法第9条はどうするのでしょうか。
法整備は仮にクリアできたとしても、現実的な問題として自衛隊には世界に展開できる能力はありません。
人質救出という機密作戦を実行するのに、自前で部隊すら送れない武装集団が海外に人質救出に向かうとは臍でお茶を沸かすようなお話です。
同胞がテロの犠牲になりナショナリズムが高揚するのは当然ですが、現実を無視したナショナリズムはろくな結果を生みませんので気をつけて見守らないと大変なことになります。
私は「自己責任論者」です。
だからと言って、見捨てろというものではありません。
我が国は自国民保護能力を持たず、保護する発想すら薄れている我が国の外交当局に、保護を求めるのは無いもの強請りというものです。
海外旅行中に事件や事故に遭われた方で日本大使館に連絡した方ならおわかりだと思いますが、日本の大使館や領事館はほとんど動いてはくれません。
JTB(Japan Tourist Bureau)ならぬGTB(Government Tourist Bureau)と言うのが日本国大使館や領事館の実態です。
役人や政治家の海外旅行には添乗員まで付けますが、日本人旅行者など知らぬ顔。館員の中には親切な方も居ますが、そうした方に出会えるのは稀です。
「自分の身は自分で守る」ということから、私は海外旅行は「自己責任」が付いて回ると経験上から得たものです。
これを否定されるかも知れませんが、外務省がいかに無能な集団であるかを歴史は知っています。
杉原千畝さんを外務省はどう扱っていたか。日米開戦の宣戦布告が遅れたのは外務省の責任ですが、その責任は頬かむりしたままでいます。
人質事件でフリージャーナリストと学者にISISから裁判への立会いを求められ、人質事件となり協力を申し出たところ外務省から断られたと、解決のチャンスを無くしたかのような報道がなされました。
ちょっと驚きました。
ご本人がそう証言しているからと全てが事実であるかのように報道しているのでしょうが、何のチャンネルも無い日本人に裁判の立会いを求めるはずはなく、ジャーナリストと学者先生はISISとのチャンネルを持っているのは明らかであり、協力者の可能性すら疑うべきです。
メディアの諸君は裏を読んで、裏を取って報道していただきたいものです。
獅子身中の虫を抱えている可能性が捨て切れないのですから、日本は危機に直面していると言えます。
今後、何でもかんでも邦人保護を求めるような事態になれば、渡航制限や旅券没収などの制限を政府が加えてくるのは明白です。
生活保護や年金のように、わけのわからない法律を作り、国民の暮らし難い国にする可能性すらあります。
事件の報道も私は背筋に冷たいものを感じながら見ていました。
内容は全てが〝推測〟。事件が事件なだけに情報が得られないのはわかりますが、国内で営利誘拐が起きれば報道協定で一切の報道がされないのに、海外での誘拐は「別」とばかりに過熱報道。
過熱報道を見て、私はヨルダンに死刑囚の釈放を求めようと訴えているのではと感じました。
正直なところ頓珍漢な扱いだったというのが、今回の事件での日本の有り様だったと思います。
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