元自衛官の憂い The third
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07281032 | [PR] |
12132004 | 右傾化する世界 |
傾いた船は復元力が働き、元の姿勢に戻ろうとします。しかし、強い横波を受けると姿勢を立て直す時間がなくひっくり返ります。
大きな横波が来る場合、船の進路を波が来る方に、真正面から波に立ち向かわせます。
シリア難民の急増、パリの同時多発テロ、米カリフォルニア州での銃乱射などで、欧米諸国の世論が極端に右傾化しています。
泡沫候補のはずのドナルド・トランプ。ドイツ系移民の父とスコットランド系移民の母の子として生まれながら、「イスラム教徒の全面的な入国禁止」「メキシコ人はレイプ犯」だけでなく、障害を持つニューヨーク・タイムズ紙の記者に暴言を吐いたとか、問題行動は事欠きません。彼は偏狭な差別主義者です。にもかかわらず支持を集めています。
フランスでは極右政党が躍進。ドイツでは移民受入を容認してきたメルケル首相への批判が高まっています。東欧でも保守系の右派政党が躍進。各国に広まる右傾化は、それを止める手立ては今のところありません。
右傾化は経済不安、移民政策への反発、テロへの恐怖、そしてソーシャルメディアの普及で極端な主張が発信されても誰も止められないなどありますが、これらにナショナリズムが重なり政治がお手軽に口にできる話題になりポピュリズムから政治の劣化がさらにこうした右傾化に拍車をかけていると見ています。
日本では純血主義の官僚たちが官僚主義に陥り、偏狭な解釈でしか物を見られない状態な上に、無責任で無学なメディア、目先の事さえ予測できない有様です。
このまま行けば、来年はアメリカ大統領ドナルド・トランプ、フランス大統領、フランス大統領マリーヌ・ル・ペン、ロシア大統領ウラジーミルプーチンと右傾化どころか愛国主義を騙る偏狭な差別主義者たちが顔を揃えることになります。恐ろしいことです。
世界戦争、イスラム教徒の宗教戦争など考えられる火種は尽きません。
日本人は誤解していますが、国家の関係は協力関係が第一ですが、基本は競争であり、その競争が激化すると戦争へと発展します。協力はあくまでも暫定的なもので条件付きです。どのような国であっても、国益第一で、そこに道徳観や倫理観が入り込むこ余地はありません。
年が明けようとしていますが、来年は日本人だけでなく世界にとって重要なポイントになるでしょう。そこで、どのような選択をするかで我々人類の未来が決まります。
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