元自衛官の憂い The third
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先日、輸送防護車なる車両を公開しました。
時事通信では輸送防護車=MRAPとしていましたが、これには笑ってしまいました。MARAP:Mine Resistant Ambush Protected。直訳すれば、地雷・伏撃耐性防護車両といったことろです。このように、意訳しても「輸送防護車」とは残念ながらなりません。
アメリカ大好き自衛隊ですが、輸送防護車というカテゴリーはありません。
これは、採用・導入へのエクスキューズです。
導入理由が2013年1月16日に起きたアルジェリア人質事件で邦人犠牲10名を出し、自衛隊法を改正、自衛隊による邦人の陸上輸送を可能としたことで、そうした救出任務に「使う」という釈明が新たなカテゴリーを考え出しわけです。
日本のメディアが、「反日」などとネトウヨのように叫ぶつもりは全くありませんが、筆者は「勉強不足」であることは間違いないと思っています。
MRAPもそうですが、公開されてどのメディアからも“疑義”のかけらすら出ていません。C-130やC-2で運べるとかのん気なことを言っていますが、いつ就役するかも知れないC-2、鈍足なC-130に4両だけのブッシュマスターで、何をさせようというのかわけりません。
ちなみに、輸送防護車は「ブッシュマスター」と呼ばれるオーストラリア製の車両です。
V-22オスプレイ、AAV7水陸両用車など自衛隊の新しい武器・兵器の採用はトライアルすらしません。
中国の人たちの「爆買い」ですら、複数のメーカーを比較して買うはずですが、自衛隊は全くカタログだけで比較検討するという買い物中毒のようなことを平気でやります。
そもそも調達して、どう使うか計画というものが無いのです。
邦人救出という危険であり、人命を最も優先しなければならない任務に、どの程度の人数を、どのような環境下で救出するか想定しているのかさえ怪しいものです。
実任務では、輸送車だけでなく護衛部隊、回収車両、地雷処理車など様々な車両を付属させて現場に臨むことになりますがブッシュマスターだけで行かせるのは、21世紀の「
特攻」です。
報道では“地雷などの攻撃に耐える”とありますが、地雷を踏めば車内にいれば無事ですが、車両が損傷するのは当然のことです。
地雷や簡易爆弾で破損した場合、回収車などを使い修理など必要となりますが、状況によっては車両を放置しなければならないことも考えられます。
現有4両に4両の新規採用するとのことですが、これでは何の役にも立ちません。
今の状況は、おもちゃを買って喜んでる陸自と、それを黙って流すメディアという図式です。
モノは良いものですから、正しく国民の役に立つように使って欲しいものです。
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