元自衛官の憂い The third
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07241314 | [PR] |
10170826 | 不気味な兆候 |
北京中心部にある国防省前で迷彩服を着た人民解放軍の元軍人ら1000人以上が集まり、大群改善などを求めて抗議デモをしたとのニュースが流れました。
正直、驚かされました。おまけに、中国共産党(中共)政府の対応が腫れ物にでも触れるような慎重さ、撮影するカメラを妨害することもなく驚かされることばかりでした。
このデモは、「退職後の手当てが不十分なまま人員が削減されることへの不満」が理由だとされいます。しかし、これはあくまでも表向きの理由だと筆者は考えています。
非常に統制が取れており、背後に軍上層部がデモを主導していることをうかがわせるものです。
一般の人には理解されることはないですが、元軍人といえどそこうしたデモは積極的に動くことを苦手です。
洋の東西を問わず、軍人は上からの命令に忠実に従うことが第一です。軍隊が軍隊でいられるのは、こうした命令に忠実に従うことが前提にあるからです。
そして、軍隊は国民(国家)の期待に応えることこそが最大の美徳です。この二つがあってこその「軍隊」なのです。人民解放軍の「軍隊」といえども、デモで過激な行動はできないのです。
人民解放軍は「(共産)党の軍隊」といわれてきました。
その元軍人たちが1000人も集まり、待遇改善を求める姿は中国、軍隊を知る人間であれば異様な光景であることがすぐにでもわかります。
そうした光景は奇跡であり、中共政府がこれまでとは全く次元の違う立場に立たされているという証拠にもなります。
「党の軍隊」が「国民の軍隊」に変質する過渡期の光景であれば歓迎できるものですが、今回の元軍人たちの行動は、独裁色を強める習近平に軍が小さい動きながらも造反した疑いを抱いています。
人民解放軍は「党」でも「人民」でもなく、「軍の軍隊」になる可能性があるのです。
これは日本にとって中国の脅威が増すだけでなく、一刻を争うことになる可能性があります。
人民解放軍は国際的規範や慣習を無視する軍隊です。独自の価値観で行動する軍隊です。近隣諸国にとって、独裁者以上に脅威となる存在です。
こうした独自の価値観で行動する彼らは、米軍の偵察機を必要以上に威嚇し破壊したり、海自護衛艦にレーダー照射したり、ヘリを異常接近させたりをしてきました。
「ちょっとカラかってやろう」程度の発想で、こうした国際的には考えられない行動をしてきたのです。
彼らは「力」こそが「正義」なのです。彼らは「正義」を手にしたのですから、この正義を行使することは絶対に手を緩めることはしないでしょう。そうした錯覚が、今回の造反行動ととられかねない行動に出たと見ていいのではないでしょうか。
近い将来、中共政府が何らかの対策を打ち出さないと、もっと過激な行動に出ることが考えられます。
中国は共産主義の本質を見失い、軍が暴走を始めたと見るべきではないでしょうか。
筆者の私見ですが、間違いであって欲しいと願うだけです。
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