元自衛官の憂い The third
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05091021 | 南沙諸島埋め立てと台湾の沖ノ鳥島問題 |
「兵は詭道なり」をご存知でしょうか?
沖ノ鳥島で台湾漁船が日本当局に拿捕され、台湾政府が態度を硬化させたのが気になっていましたが、事実を繋げてみると浮かんできたのが「兵は詭道なり」という言葉でした。
海自中古機をフィリピンに貸与したらしいですが、なぜP-3Cではないのかと残念に思えてなりません。
中国は日本が南シナ海問題に関与するのを中国は批判してきました。中国外交部報道官のこれまでに出したコメントの一つをご紹介します。
「…中国の南沙諸島におけるいくつかの海洋環礁における建設工事は、中国の主権の範囲内で行っているものである。それは合法的で、正当化され、合理的なものだ。いかなる他国に対して向けられているものでもない。したがって、非難には一切値しない…」
南沙諸島埋め立てと沖ノ鳥島問題が繋がっていると思ったのか。沖ノ鳥島は南沙諸島と同じ「埋め立て」られた環礁です。大きな違いは、多国間で領土問題の係争地である南沙諸島と領土問題の存在しない沖ノ鳥島というだけです。大きな違いではありますが、「埋め立て」という言葉では同じ次元になります。
南シナ海問題に関わろうとする日本を牽制するには、今回の台湾漁船拿捕は大陸寄りの馬英九政権にとって格好の材料になってしまったのです。兵は詭道なりです。
日本では全く関心を持たれていない南沙諸島問題ですが、南沙諸島は中国の国家戦略にとって重要な拠点だということを誰も説明していません。
第一列島線で中国が防衛戦を敷き、その内側にある南シナ海、東シナ海、日本海に米海空軍の侵入を阻止し、自衛隊の行動を抑制することを目的としています。第一列島線が完璧になれば、中国共産党の悲願である台湾統一が完成します。
台湾国民党にとっても今回の沖ノ鳥島問題は有効です。野党に転落し、日本よりの立場を明確にする民進党政権に対しジャブとなります。ダメージではなく、次の攻撃のきっかけになり、小さなダメージを積み重ねられますし、相手(日本)を誘い出すこともできます。
私は日本が南沙諸島問題に積極的に関り、中国による侵略に明確に反対すべきだと考えています。その理由は、私が保守的な考えだからではありません。
中国の主張する日本の歴史認識問題に大きな影響を及ぼすからという理由からです。
南沙諸島問題を抱える国は台湾、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイです。かつて日本が勢力下に置いた国々です。かつての戦争が侵略だったの自衛だったのかはどうでもいいことです。しかし、侵略・自衛どちらを主張するにしても、この問題に無関心でいることは主張の正当性を無視することです。
どちらの立場であっても、日本人は積極的に南沙諸島問題に大きく関わらなければならないのです。
それが、植民地支配に苦しんだ各国に報いることになるのです。
あくまでも個人的見解ですが…
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