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元自衛官の憂い The third

軍事的色眼鏡で見る世界 軍人は究極の合理主義者です。 合理主義者であるが上に、「人道」を忘れたり、犠牲にしたりすることがあります。 軍人は行動は計画的、本心を隠す、混雑する場所を避ける、計画的な金銭感覚、意志が固い、職場での信頼を得やすい、そして最後に家庭では扱いがぞんざいにされるです。 家庭ではぞんざいに扱われながらも、軍事的色眼鏡で見てしまう元自衛官の雑感などを書いていきます。
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  • :07/28/03:45

06150916 あれ???

尖閣諸島接続水域を中国海軍フリゲート艦が進入したと日本政府は目の色を変えて騒いでいます。それに乗っかって、メディアも大騒ぎですが…ふとした疑問に答えてくれる報道はどこにも見当たりません。

その疑問というのは、海自がいつから領域警備を担当するようになったのでしょうか。


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まともな神経を持った国家であれば、国境警備を担うのは準軍事組織や文民警察です。

原則的に海上国境の警備を担うのは沿岸警備隊です。日本では海上保安庁です。軍隊が国境警備を行うのは境界線を接する隣国との無用な緊張状態を作り出す可能性があるからです。相手国と相互に敵視し合っている場合ならなおさらです。いきなり一軍を投入するのではなく、二軍、三軍を投入して小競り合い程度で済ませられるように配慮したものです。

国境線に軍隊が展開すれば、相手国は「侵攻」を企図していると警戒、挑発とみなされることを避けるためです。

今回、接続水域に中国海軍フリゲート艦の進入を確認し、警告を発したのは「海自」だとされています。日本はいつから海自に領域警備を任せるようになったのでしょうか。百歩譲って、なにがしかの考えがあってのことだとしても、その先にあるものを日本政府は覚悟しているのでしょうか。

自衛隊は国際的には「軍隊」です。〝自衛隊は軍隊ではない〟とは、日本だけの論法です。「軍隊」の投入は最終手段であり、あくまでも法執行の補完です。

アメリカでは連邦軍は領域内で法執行は禁止されています。

極限まで、相手が正規軍を投入し、自衛権行使の必要が出るまで自衛隊は表に出てはならないのです。

尖閣諸島で自衛隊を前線に出すことは、逆に中国に口実を与えることになり、中国の思うツボです。今回の事態が衝突に発展した場合を考えてみれば明らかです。

接続水域に中国海軍フリゲートが海自艦艇と小競り合いとなり、やむを得ず海自が発砲し中国海軍フリゲートが沈没となった場合、中国は「日本軍の先制攻撃に自衛隊のため、やむを得ず人民解放軍を投入した」との説明がなされるでしょう。

これがウソ偽りであったとしても、米国世論はどう反応するでしょうか。中国に同情的な世論となれば、日米同盟は完全に機能不全となります。

世界の沿岸警備隊は準軍事組織として位置づけられています。アメリカ沿岸警備隊は国土安全保障省の傘下であり、連邦の法執行機関です。領域警備、捜索救難等も任務とし、アメリカでは第5の軍として位置づけられています。

「海上の安全」「海上の治安維持」だけでなく、領域警備、臨検活動、船団護衛なども担当しています。沿岸警備隊の保有する船舶は、76mm砲やCIWSを搭載し、船体構造も軍艦構造にされています。ちなみに、海保は商船構造です。

統幕長が鼻息荒く「相応の対応をする」などと言っていますが、これでは「日本は戦争も辞さない」と挑発しているかのように受け取られる振る舞いには驚かされました。どれほど腹に一物あったとしても、最後の最後まで善人を装わなければなりません。

私は海自を表に出すのではなく、まず海保を増強することが先決だと考えます。そして、できるだけ海自(自衛隊)から情報を発信させないようにすることです。日本はいかなる状況にあっても、世間(世界)の同情を集めることを第一に考えなければならないのです。

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