元自衛官の憂い The third
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血相を変えて尖閣諸島接続水域に中国海軍フリゲート艦が進入したと日本政府は騒いでいます。それを受けて、メディアも同じように騒ぎ立てています。みっともないことこの上もありません。
これでは、また中国は「小日本」だと陰で言っていることでしょう。
南シナ海問題、そして尖閣諸島問題も実は日本にも責任があることは理解されていません。
まず、領土問題に対し日本人は無頓着です。政府もまた領土問題を味噌も糞も一緒にしています。北方領土、竹島、尖閣諸島を領土問題がありますが、それぞれが別の次元に存在しているにもかかわらず、日本政府は一緒くたにして解決しようとしています。
北方領土は日本政府は違法性を訴えていますが、戦時下において軍事占領されたものです。竹島は敗戦後の占領期に掠め取られたものです。北方領土問題は取り下げ、新たな日露関係を模索すべきだと私は考えています。竹島は武力による奪還を即刻実行すべきです。諸般の事情から難しいことではありますが、尖閣諸島はいわば日本の本気度を試しているのです。
1992年2月、中国全人代常務委員会でいわゆる「領海法」を制定発布しました。
「中華人民共和国の領海は、中華人民共和国領土と内水(内海)に隣接する一帯の海域である。中華人民共和国の陸地領土は、中華人民共和国の大陸及びその沿海島嶼を含み、台湾及び釣魚島を含む付属各島、澎湖列島、東沙群島、西沙群島、中沙群島、南沙群島及び中華人民共和国に所属する一切の島嶼を包含するものとする。中華人民共和国の領海基線は陸地に沿った水域をすべからく中華人民共和国の内水(内海)とする」
これに基づいて、中国は南シナ海で埋め立てを行いました。
日本はこの法律が制定発布されたとき、日本は何ら動きを見せませんでした。外務省の見解は「中国の国内法の一環」というものでした。
日本のメディアもまた政府に並んで、冷静(?)な対応でした。
日本は絶好のチャンスを逃していたのです。
中国は1989年6月4日に天安門事件を軍隊を投入し鎮圧しました。それによる経済制裁を受ける中、中国経済はまだ足元がふらついている状態でした。叩けば譲歩が得られたにもかかわらず、日本政府は天安門事件で友達面して中国共産党政府と手を結ぶことを選びました。
そのお返しが「尖閣諸島」であり、南シナ海問題なのです。
92年というのは実は象徴的な年です。91年末に旧ソ連が崩壊。西側諸国では冷戦体勢崩壊と言いますが、中国にとっては中ソ対立解消という事実もありました。そして、フィリピンに駐留していたアメリカ軍が撤収した年でもあります。
アメリカは領土問題には「中立」でいようとしています。日本はことあるごとに、泥縄式で事に当たろうとします。尖閣諸島が安保条約の対象となると言質を取ろうと必死になりますが、アメリカの基本政策は領土問題は中立なのです。
切迫した状況にあるにもかかわらず、日本では国民の理解を得ようとせず、票につながらないと一切の説明がなされません。
日本は中国に配慮し、安全保障法制の目的を公にしないまま成立させました。ここまで追い込まれても、日本は中国に配慮を示すのです。
こんな有様で、日本が尖閣諸島問題で勝ち目はすでにありません。
世界(世間)は冷たいのです。それを日本政府・日本人はわかっていません。自分たちの身を守るのは、まずは自分の手で守らなければならないのです。それを世界は見ています。当然、中国も見ています。そして、成り行きを韓国が見ています。
これから、日本がどう動くか、その本気度を世界中が見てていることを理解すべできです。
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