元自衛官の憂い The third
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11011059 | ヒトの迷惑省みず やって来ましたハロウィン! |
親に「他人様に迷惑をかけるな!」と叩き込まれて育った身からハロウィンの渋谷の状態を見ると、はっきり言って反吐が出そうです。
痴漢や公務執行妨害で逮捕者が出たらしいですが、ごった返す街で何をしようというのかおじさん世代には一向に理解できません。
日本人は「他人の目を気にし過ぎ、主体性や自主性を持たない」とか、「自分の幸せや要求を押し殺してまで「人への迷惑」を気にしたり、「恥ずかしくないように」してしまう」など現在では、他人様に迷惑をかけてもいいといった風潮が見られます。
慣習や文化に疑問を呈し、否定することは未来につながることですから、それはそれで良しとしますが、他人様に迷惑をかけない=主体性や自主性を持たないとか、他人様に迷惑をかけない=自分の幸せや要求を押し殺すとなるかというと、これは飛躍し過ぎなのは論を俟たないでしょう。
愚か過ぎる論法です。
おじさんには、ハロウィンの渋谷でのバカ騒ぎ、他人様に迷惑をかけることを何とも感じなくなっているのは、日本人の幼児化が進んでいる表れだと感じます。
ウーパールーパーを覚えていらっしゃるでしょうか。和名はメキシコサラマンダー。サンショウウオです。
両生類は幼生で鰓(えら)を持ち鰓呼吸しますが、変態して肺や皮膚での呼吸ができるようになります。
しかし、中には変態せず幼生の形態のまま性成熟する種や個体群があり、その中にメキシコサラマンダーがいます。子供のまま大人になるというわけです。学術的には「ネオテニー」と呼ばれ、幼形成熟、幼態成熟といわれるものです。
生物学者や人類学者は、類人猿の中ではヒトが最もネオテニーの特徴を持ち、人類の中でモンゴロイドがネオテニーだとされているのですから、我が日本人はヒトの中では強くネオテニーを持っているということです。
ネオテニーだからといって悪いことではありません。進化論では、ネオテニーは進化の過程に重要な役割を果たすという説があり、ネオテニーは脳や体の発達が遅くなる代わりに、各種器官の特殊化の程度が低く、適応性が高いとされています。これにより、成体になるまで環境の変化に柔軟に対応できるとされています。
さらに、ルース・ベネディクトの『菊と刀』で日米の文化差を比較していますが、日本人の持つ「恥の文化」と欧米人の持つ「罪の文化」の違いを説明しています。
最近、増えているのは憂えることですが、企業の経営者が謝罪会見で「世間をお騒がせして、まことに申し訳ありません」と語り辞職することがあります。これこそが、「恥の文化」の象徴です。
欧米の「罪の文化」では、経営者に罪が無ければ謝罪も辞職の必要もありません。
幼児性+恥の文化を捨て始めた、筆者のハロウィンの渋谷でのバカ騒ぎを巻き起こしているのだと解釈しています。
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