元自衛官の憂い The third
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08011644 | [PR] |
09031048 | ミサイル狂騒曲 |
Jアラートが鳴り響きましたが、凡人の私には相変わらず理解できない展開でした。
「発射直後からミサイルの動きを完全に把握している」と胸を張った安倍さんですが、そうならばなぜJアラートを鳴らしたのかということです。
弾道ミサイルは発射から追尾され、着弾点が予測されます。「完全に把握している」のであれば、なぜJアラートを鳴らす必要性は感じません。それも、対象にされたのは北海道、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、茨城、栃木、群馬、長野の11 道県という広範囲に及ぶものでした。
安倍首相、小野寺防衛相によれば、「日本に落下しないと判断したため、破壊措置を実施しなかった」だそうですが、Jアラートを鳴らした根拠がさらなくなります。危機を煽った?と疑われて当然になります。
ミサイルの航跡が伝えられましたが、私には北朝鮮は人口密集地を避けて津軽海峡上空から襟裳岬沖合を通過させたように見えました。
それを裏付けるように、北朝鮮は何の反応も示しませんでした。
日本での報道が過熱してくると、北朝鮮は後追い公表という形で「107年前、『韓日合併』という恥ずべき条約が交付された血の9月28日に残虐な日本の島国夷がびっくり仰天する大胆な作戦を策定し、首都圏地域から弾道ロケットを発射するように承認して我が人民の胸に積りに積もった恨みを晴らしてくれた」ととって付けたような伝え方をしました。
日本の安倍首相だけが鼻息を荒げている状態です。役にも立たない国連安保理を開催し、議長声明で終わり。鈍感なトランプ大統領、北朝鮮寄りのロシア・中国、ともに今回のミサイル発射では何のリアクションもしませんでした。つまり、米中露はともに危機的状況との分析はされていないということになります。
安倍首相が大騒ぎした理由がさらにわからなくなります。一部の報道では、発射された同日の夕刻には、安倍首相はフレンチレストランでご会食だったようですが、国民には強い危機感を煽るメッセージを送り、自分はというとご会食というアンバランスさは安倍首相訴えた危機は実際は危機ではないという証明になります。
拉致は未解決、弾道ミサイルはドンドン撃ちまくる、これでは安倍首相の外交が失敗しているとしか言い様がありません。
RQ-4グローバルホークは価格高騰を理由に一時は導入断念を表明しましたが、今回のミサイル発射でグローバルホーク導入を再検討し、さらに「イージス・アショア」まで買い込む様子さえ見せています。
弾道ミサイルに避難を呼びかけますが、現実的に弾道ミサイルが日本に向けて発射されても日本では避難すべきシェルターもありませんし、弾道ミサイルの弾頭によっては着弾地点によっては避難の意味などなくなります。政府は残念ながら、それを国民には伝えていません。
北朝鮮のミサイル騒動で、儲かっているのは誰か…それを考えると腹黒い存在が浮かんできます。個人的には、そうした訴え方はしたくはありませんが、あまりにもミエミエです。
日本が買うグローバルホーク、イージス・アショアともに、米国製だということです。
危機を口にする安倍さんにしても、現実的には自分で何らかのアクションを取ってはいません。アメリカの核の傘、アメリカ軍、そして国連の三点セットです。これがミサイル狂騒曲の裏にある事実ではないでしょうか。
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