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元自衛官の憂い The third

軍事的色眼鏡で見る世界 軍人は究極の合理主義者です。 合理主義者であるが上に、「人道」を忘れたり、犠牲にしたりすることがあります。 軍人は行動は計画的、本心を隠す、混雑する場所を避ける、計画的な金銭感覚、意志が固い、職場での信頼を得やすい、そして最後に家庭では扱いがぞんざいにされるです。 家庭ではぞんざいに扱われながらも、軍事的色眼鏡で見てしまう元自衛官の雑感などを書いていきます。
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  • :08/01/19:14

07200720 出来レース?

安保法制が平和安全特別委員会で、〝強行〟採決されましたが、相変わらず野党のセンセイ方は幼稚なお馴染みの光景をみせてくれました。有権者としてというより、大人の一人として同じ日本人なのが恥ずかしくなります。

ボイコットしたところで、民主主義の「数」では足りないことで何をやっても無駄だというのにやってしまう愚かさ。反対なら反対だと堂々と主張すべきではないでしょうか。


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 筆者は幼稚な野党も心配ですが、法案を作成した自民党と官僚たちの不勉強さを払拭できておらず憂慮しています。集団的自衛権も専守防衛も理解していないのに、正直なところ「こんな法案通していいの?」というのが今回の騒動の感想です。

 本来であれば、政権与党は「制服組」もしくは「OB」から様々な意見を聴取して法案を練り上げるべきでしたが、この国の武力を持つ組織は「軍隊ではない」ため、行き着くところに行けば目標達成とばかり政治的発言をしたり、酷いのでは政治に参加しようとします。

 そもそも「軍人」とはリアリスト、それも「超」が付くほどリアリストでなければなりません。例えば、何ができて、何ができないのか。できないことを減らすためには、何が必要なのかと常に模索しているのが「軍人」という存在だと、筆者は先輩たちから(残念ですが、ごく一部の先輩です)教え込まれました。こうした超リアリストの「軍人」が少ないため、まともな役立つ意見を口にする「制服組」や「OB」など居ないと映ってしまい、結局は戦争を知らない(考えない)政治家や官僚が法案を作ってしまうのでしょう。ですから、トンチンカンな法案ができてしまいます。

 例えば中国の軍事的脅威は、ここ数年で極端に高まりました。いつ・どこで中国が火種になる紛争が起きても不思議ではない状況です。

 ですが、日中戦争が「今そこにある危機」かというと、これがそうでもなかったりします。

 「脅威」=「戦争」と被害妄想に取り憑かれるとろくなことがありません。状況・情勢分析ができなくなり、軽挙妄動に走ってしまうのが関の山です。元々、自衛隊には軽挙妄動する癖がありますので〝常連〟と言ってしまえばそれまでなのですが…。

 

 ここ数年の尖閣諸島国有化後の対日強硬策を繰り出す中国ですが、一気に自衛隊は離島(島嶼)防衛を掲げ、陸自は西普連や「水陸機動団(?)」発足、オスプレイ・AAV7の大人買いなどとかなり焦って体制だけでなく装備を揃えようと努力(?)していますが、実際は自衛隊には島嶼防衛などといった戦略も戦術も初体験なのです。平たく言えば、これまで自衛隊にとって島嶼防衛は考えても許されないことだったのです。

 さらに言えば、自衛隊は取られないのではなく取り返そうという戦術を採っていることも不安材料です。島嶼防衛など、難しいことはかつての戦争で数々の悲劇を生んだのが、南方の島嶼群での戦闘であったことは誰もが知っているはずです。そして、大規模な兵力と圧倒的な装備を投入しても、米国が多くの犠牲を出した攻略戦も少ないですがあったのも事実です。守るにも攻めるにも、島嶼での戦闘は難しいのです。素人が昨日今日学習したところで作戦「成功」は望めないのです。

 初体験だというのに、あれもこれもと意気込んだところで、これまたろくなことがありません。

 安倍首相は専守防衛と集団的自衛権を同時並行で自衛隊に任務を課すつもりのようですが、専守防衛と集団的自衛権で海外で行動させるのは装備も違えば訓練も違います。国民の一人としては、「どれだけカネがかかるか…」と心配になります。

 野党のセンセイ方は、実は突っ込みどころ満載だったはずですが、野党も野党で専門家のアドバイスなど受けていないのでしょうね。悲しむべき現実です。国政はもしかしたら、出来レースなのかもしれません。

 

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