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元自衛官の憂い The third

軍事的色眼鏡で見る世界 軍人は究極の合理主義者です。 合理主義者であるが上に、「人道」を忘れたり、犠牲にしたりすることがあります。 軍人は行動は計画的、本心を隠す、混雑する場所を避ける、計画的な金銭感覚、意志が固い、職場での信頼を得やすい、そして最後に家庭では扱いがぞんざいにされるです。 家庭ではぞんざいに扱われながらも、軍事的色眼鏡で見てしまう元自衛官の雑感などを書いていきます。
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  • :07/27/08:27

03111446 勇気ある行動

平素極めて知恵に富み、しかも豪勇であると言われている人でも、いざ戦陣に臨み、重責の職に就いたため、責任の重さから心がくらみ、気が惑い、せっかくのその資質を発揮できぬという実例が多い。~秋山真之~


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 東日本大震災で日本は多少は変化するのかと思っていました。

 しかし、残念ながら「変わった」と実感できるものは見当たりません。

 数々の「教訓」を得られる機会をみすみす逃してしまっています。

 被災地では文明が瞬時に崩壊しました。ライフラインは喪失し、役場は機能せず、救援・救助の指揮を執れる首長が亡くなった町も少なくないにもかかわらず、集団から様々な指揮官が現れました。

 これこそが本来あるべき姿ですが、日本人は民主主義が第一であり、それ以外の集団は時代遅れのものであるかのように錯覚しています。

 そして、戦後の誤った「平等」「公平」の革新的教育しか経験の無い人たちは対処するのに完全に硬直状態に陥りました。

 人は「平等」「公平」ではありません。努力だけでも成功を勝ち得られるものではありません。

 被災地で耳にしたのは、未曾有の災害に襲われた地域に現行法制度で対応しようとする信じられない姿でした。

 津波で大きな被害の出た宮城県石巻市の沿岸部で、津波で亡くなられた方のご遺体を収容しようとしたところ、警察からの指導があり警察官の増援が到着するまでご遺体には触れないようにとの指示が地元消防団に出されたそうです。

 この地域は完全に孤立し、警察官は地元の駐在所の警察官だけ。何十、何百というご遺体を目の前にして「何もするな!」とは正しい指示なのでしょうか。

 地元消防団ですから、近所の知り合いや家族の遺体が、収容もされず野ざらしにするようなことはできるはずがありません。

 消防団は内々にご遺体の収容を強行したそうです。増援の警察官が地元入りしたのは、発災から1週間後だったそうです。

 まだあります。生米が支援物資として手元に届くようになり、ご飯を炊く準備を急ぎ、炊き出しを始めると、今度は消防署から指示があったそうです。

 火を焚くには「許可」が必要で、事前に消防署の検査を受けてからにして欲しいという、信じられないものだったそうです。

 想定外の事態に、想定内で対応しようとする大きな欠陥が明らかになりました。

 それらが改善されたかどうか、まったく報道すらされていませんが、南海トラフ地震が想定される中、このままでいいのでしょうか。

 私は徴兵制には反対ですが、こうした想定外の事態に対応できない資質を作ってしまったのは軍事教育の無視が原因だと考えます。

 想定外の事態に直面した場合。文明世界から切り離されたような状況に直面したら、「とにかく生き抜くこと」を第一に考えることです。

 前例も指令も指示も無視して、いかなる環境下でも生き抜くことです。

 時々刻々状況が変わるため、そこには民主主義も無視する必要が出てきます。そこに放り込まれた人間の経験と哲学を発揮して生き抜くことに徹しなければならないのです。

 規則を後生大事に守るあまり思考停止状態に陥ることは、生きることを放棄することになるのです。

 「想定外」だからこそ、それに対処するには無視すべきものも出てくるのです。

 「物資は公平に行き渡っているのか」「細かい情報を提供して欲し」などとメディアの記者が質問している姿が散見されましたが、大混乱する中で「公平」「情報」など求めるのは愚問です。

 助けを求める人が眼下に居ても、メディアの取材ヘリはそれを無視して被災地を飛び回っていました。これが、未曾有の大災害に直面したメディアのあるべき姿なのでしょうか。

 報道よりも人命救助を優先させるべきで、被災地に向かうには救援物資や救助が可能なよう徹底させるべきではないでしょうか。

 震災から4年。私たちに突きつけられた課題は、まったく解決されていません。復旧・復興すら遅れているのですから当然かもしれませんが、4年の年月は無駄に過ぎたということではないでしょうか。

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