元自衛官の憂い The third
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08271154 | 北朝鮮問題は解決できないのか |
短距離弾道ミサイルを発射した北朝鮮ですが、トランプ大統領は「軍事解決の用意は整った」とツイートしており、米朝戦争という爆弾の導火線に火がついた状態です。
その導火線が伸びるのか。導火線が伸ばされ過ぎて、途中で火が消えるのか。
日本が当事者になる可能性が極めて高いにもかかわらず、米朝間の戦争に日本がまったく影響力すら出せない状態になっています。
いっこうに見えてこない中国の北朝鮮への圧力ですが、中国は現状では北朝鮮を崩壊させるようなことは絶対にしないでしょう。
中国が北朝鮮に対し圧力もしくは体制を変化させるようなことをするとすれば、多くの条件を求めてくるでしょう。
金王朝を倒し、新たな体制が北朝鮮に立てられるまでには、体制崩壊後に出てくる問題を事前に調整することが必要です。
金正恩が暗殺や追放(亡命)された場合、北朝鮮に民主国家を成立させるかと言うと、それは中国は絶対に応じないでしょう。ならばどうすべきか…その答えが見つからないから、中国は対北圧力に踏み切れないのではないでしょうか。
事態を複雑にしているのは中国だけではありません。
戦略なき戦略を採るトランプ大統領が、弾道ミサイル技術が確立し、核弾頭も実用化されたとみなされる状態になった場合、これはアメリカにとって重大な脅威となります。トランプが大統領であったら、トランプは「アメリカ・ファースト」にこだわるのか、それとも「同盟国を守る」のか…想像したくはありませんが、私も含め多くの人はトランプは「アメリカ・ファースト」を選択すると考えるでしょう。
そうなった場合、中国は北朝鮮崩壊の条件に在韓米軍の撤退を要求してくることでしょう。中国が最も懸念しているのは、北朝鮮金王朝の崩壊後で、韓国(アメリカ)主導となるか、中国主導となるかということです。
中国がこれまでと違う対北姿勢で臨むことは、これまでとは違う事態を招くことは誰もが理解できることです。
それほど、北朝鮮の弾道ミサイル/核開発は重大な問題なのです。
ミサイル着弾を想定した訓練が日本各地で行われていますが、どのニュースも七十数年ぶりに、日本国内で戦争に備えた訓練が行われているとは伝えません。それほど重大な事態になっているとは誰も伝えません。
悲しむべきことに、日本の現状を理解している国民がどれだけいるのか心細くなります。それが、日本の置かれている立場なのです。問題を解決どころか、事態を悪化させるだけなのです。
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