元自衛官の憂い The third
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03171432 | 困っている人々を助けないのは文明人ではない |
日本は尖閣諸島を念頭に、離島防衛を担うべく大きく舵を切りました。筆者が不思議に感じているのは、不可能な離島防衛を持ち出し、裏技となる大規模災害に活用できるという事実を置き去りにしていることです。
東日本大震災ではアメリカ合衆国が「トモダチ作戦」を展開し、大きな支援を担ってくれました。その中核となったのは、アメリカ海兵隊です。
日本もようやく海兵隊能力を持った部隊を陸自に創設するように動き出していますが、現在の政府/防衛省/自衛隊の進めるやり方に間違いはないのでしょうか。
アメリカ海兵隊は母艦となる揚陸艦に各種ヘリコプターを多数搭載可能で、災害時には被災地に対しアクセス可能となります、揚陸艦には、海からアクセスできる各種揚陸艇や水陸両用車両等があります。
揚陸艦は居住空間が極めて広く、多数の被災者の収容も可能で、医療設備も整っており、大規模災害時にはとても有効な戦力となります。
水陸両用車、オスプレイを導入するから大丈夫!と言いたいところですが、根本的な「能力」が日本にあるのかどうかが気にかかります。
アメリ海兵隊だけでなく、各国の海兵隊、海軍陸戦隊が最も重視しているのは、緊急対応部隊としての能力です。緊急対応部隊は装備だけでなく、出動までの意思決定の迅速性です。この決定のスピードが、作戦の成否を決める重要な要素であることは言うまでもありません。
日本ではシビリアンコントロールを曲解していますが、文民(政治)の意思決定ができるか離島防衛、災害対処の成否を決めます。
政治家に期待したいのは、軍事的な思考ではなく真のリーダーとして能力を発揮することです。
震災直後から自らの危険を顧みず、宣誓に忠実に活動した自衛隊員にはOBとして頭が下がります。
自衛隊員たちが自らの犠牲を顧みず、国民のために職務遂行ができたのは筆者が想像すると自分の名誉のためだったはずです。自衛隊員として…一国の軍人としてです。
彼らを鼓舞するのは、心の底から彼らを讃えることです。天皇陛下のように。
皆さんにも理解して欲しい言葉があります。長くなりますが引用します。
「米軍が他国の自然災害に対応する主な理由は、もっぱら人道的なものです。
米軍には困っている人々を助けるための能力があります。もし、道端で誰かが傷つき倒れているのに気が付いたとしましょう。自分にはその人を助けられるだけの能力や知識や必要な装備があるにもかかわらず、立ち止まって助けの手を差し伸べなかったとしたら、それはなんと思いやりの心に欠けていて恥ずべきことでしょうか。
困惑している人々を援助する能力があるのにそれをしないのは、文明人のすることではありません。
海兵隊が第一に戦闘のための組織であることに変わりはありませんが、我々海兵隊員には困っている人々を助けたいという強い願望があります。
海兵隊には大量の資機材を迅速に移動させる能力、水を浄化する能力、非常にしっかりとした医療設備を配備する能力、インフラが破壊されて物資が不足する環境で救援物資を運ぶ能力、自然災害によって破壊された地域に基地を設けてから救援を行う必要がないように洋上から救援活動をする能力など、様々な高度な能力があります。
もともとは戦闘用として開発したこれら能力のすべてが、そのような能力を持たずに傷つき困惑した人々を助けるためにかけがえのない能力をもたらしてくれます」
これは、ホノルルのキャンプ・スミスで太平洋海兵隊司令部部長の言葉です。
軍事力を持つことは決して「悪」ではありません。最も必要なものは、それをコントロールする能力なのです。我々、人間に降りかかる災禍は災害だけではありません。日本人は、東日本大震災で世界中から賛辞と救いの手を、祈りを寄せられました。
それを返す時、返さなければならない時がいつか来ます。その時、日本人は文明人として認められるかどうか、それは私たちにかかっているのではないでしょうか。
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