元自衛官の憂い The third
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仮想敵国という言葉をご存知でしょう。
仮想敵国と聞けば、「敵国」となり、遠くない将来においてその国から侵略もしくは何らかの攻撃を受けるであろう加害国と思われるでしょう。
しかし、これは間違いです。
仮想敵国とは「想定」でしかありません。
最近話題になったアメリカの情報機関による日本政府高官の電話盗聴の理由は誰も説明していませんが、この盗聴はアメリカが日本を監視していることの証であり、アメリカの軍事行動のプランの中には、日本を対象としたプランはあるはずです。
軍事オタクとオンチがほとんどの国ですから、信じてもらえないでしょうが、これが真実であり、仮想敵国の本当の意味なのです。
旧軍では「想定敵国」、自衛隊では「対象国」と言いますが、日本に対して何かと難癖をつけてくる国だけが「仮想敵国」ではないのです。
筆者が安部政権に不信感を持っているのは、安全保障法制の国会審議であからさまに「中国」という国名を出していることです。
筆者から見ると、安部政権・自民党は異常行動であり、常人の域を完全に超えてしまっています。不安神経症と言えるほどです。ここまで「国名」をあからさまにして、安全保障法を制定しようというのは外交儀礼上あり得ないことです。不安神経症からパニック障害を起こしているようにしか見えません。
国民の知らないところで、中国から何らかの恫喝があったというのなら理解もできますが、敵を敵と罵って国民の恐怖感を煽るのは政治とは言えません。反日を標榜する国家と変わりはありません。
左翼思想に傾倒した平和主義の人たちが、安全保障法制に「戦争法案」だと主張していますが、今の安倍政権・自民党のやり方は、彼らの主張するように「戦争」を目的としていると私でさえ疑いたくなります。
軍事オタク・オンチの方には理解できないでしょうが、「仮想敵国」とはどの国を対象とするかは限定されるものではありません。
NSA(アメリカ国家安全保障局)職員が暴露し、PRISM(監視プログラム)の存在が明らかになりましたが、PRISMが運用される前は、NSAはこうした監視をしていなかったのかように思えますが、NSAはあらゆる通信網を傍受し、対象国の動向を監視していました。その対象は、日本も含まれていました。
もっと現実的な話をすれば、軍事問題で日本が突出することはアメリカは望んではいません。陰謀論ではないことを改めてお断りしておきます。
日本は「仮想敵国」の想定を誤り、国土を荒廃させるというミスを犯し、国民は辛酸を嘗めさせられました。国家ぐるみで戦争に突き進んだという〝事実〟もありますが、「仮想敵国」というくくりで言えば、陸海軍の想定が違い大きな被害を出しました。
大韓民国海軍を見れば、「仮想敵国」という意味がわかりやすいと思います。
大韓民国海軍(韓国海軍)は朝鮮戦争で朝鮮人民軍・中国人民解放軍との戦闘を経験し、現在は北朝鮮と休戦状態にあります。常識的に考えれば、韓国海軍の「仮想敵国」は北朝鮮であり中国であるはずです。
北朝鮮と中国が仮想敵国であるならば、陸続きの国家同士の戦争となれば「陸戦」が主体となり、それに応じた兵器が優先的に装備されていくはずです。しかし、世宗大王級駆逐艦(イジース駆逐艦)、忠武公李舜臣級駆逐艦(艦隊防空駆逐艦)、独島級揚陸艦等陸戦に特化した海軍ではなく、これは明らかに「外洋(外征)艦隊」を目指しているとか見るのが正当な見解です。
韓国政府がアメリカ政府に「日本を仮想敵と表現するように要請した」と報道されたこともありますが、それは具体性に欠けたものであり、日本のようにあからさまな表現はしていません。あの「韓国」でさえです。
「中国」も日本を仮想敵国と主張はしていません。行動は明らかに、日本を標的にして何らかの軍事行動を選択するであろうことは充分に〝推測〟できるものはありますが、あからさまな「敵国」だとは口にしていません。
仮想敵国は用兵(現実に部隊を動かす)のための軍事的な想定でしかありません。政治や外交とは切り離されたものです。
今の日本政府(自民党)のやり方は、完全に「中国」という仮想敵国が独り歩きを始め、外交は完全に混乱状態に陥っています。関係改善どころか、中国の侵略に備えを急ぐ日本という図式です。
これで関係を改善しようというのは、どこの誰が信用するというのでしょうか。とにかく、日本政府のやり方はとんでもない間違いです。取り返しがつかない世界に突き進んでいるように見えるのは、筆者は左翼思想に影響されたためでしょうか。
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