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元自衛官の憂い The third

軍事的色眼鏡で見る世界 軍人は究極の合理主義者です。 合理主義者であるが上に、「人道」を忘れたり、犠牲にしたりすることがあります。 軍人は行動は計画的、本心を隠す、混雑する場所を避ける、計画的な金銭感覚、意志が固い、職場での信頼を得やすい、そして最後に家庭では扱いがぞんざいにされるです。 家庭ではぞんざいに扱われながらも、軍事的色眼鏡で見てしまう元自衛官の雑感などを書いていきます。
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  • :07/27/15:15

03061931 夢見る男たち「保守系」

山賊テロリスト集団ダーイシュによる日本人人質殺害事件を受け、自衛隊による海外人質救出を行えるようにすべきとの議論が起こっています。

見果てぬ夢に心酔する保守系のたわ言です。

A大臣は、「出来る!」と言い切っていますが、これまた困ったことです。

海外で拘束された邦人救出に向け、特殊部隊の強化や法整備を行ったとしても済まされない問題があるのです。

夢に浸るのはかまいませんが、それを国民に向けて厚かましく語ることは許されるものではありません。


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 驚かされましたが、125日のNHK「日曜討論」でダーイシュによる日本人人質殺害に、「このように海外で邦人が危害にあったとき、自衛隊は持てる能力を充分生かせない。救出できるための法整備をしっかりする」と言いました。

 現在進められている安全保障関係の法整備では、昨年の閣議決定により「邦人救出」が重要な項目になっていますが、人質殺害前は海外での戦乱、災害などの際に、在外邦人を救出することも目的としたもので、殺害事件から方向転換して人質救出とされているようです。

 軍事にど素人の保守系からは、自衛隊が海外で人質救出をできるようにすべきとの意見が強く出されていますが、いともたやすく救出が可能なようです。

 世界最強の米軍でさえ、人質救出は失敗しています。「デルタ・フォース」「ネイビー・シールズ」が投入されたにもかかわらずです。「デルタ」や「シールズ」が成功しない作戦を、自衛隊だから成功するとはあり得ないことなのが、多少の軍事知識があればわかりきったことです。

 昨年7月、ダーイシュの首都とされるシリア北部ラッカ郊外にある石油施設に米国人ジャーナリスト2名が拘束されているとの情報から、「デルタ・フォース」が潜入し救出を試みましたが、人質はそこにはいませんでした。拘束されていた人質は斬首されました。

 11月にはイエメン南部の村に囚われた米国人ジャーナリストを救出しようとしましたが、人質は移されて作戦は失敗。12月に「ネイビー・シールズ」が送られましたが、警備兵に発見され銃撃戦となり人質は殺害されました。

 米国は衛星、友人・無人偵察機、内通者やスパイ、NSAが各種通信を傍受し、外国語のエキスパートが多数存在しているというのに、数名の人質を救出できなかったのです。

 オサマ・ビン・ラディンの身柄を捕捉するのに約10年。

 

 米国が血眼になって探しているにもかかわらず、10年の時間を要したのです。

 現在の日本国内の状況は、特殊部隊を鍛え上げ、法律さえあれば人質救出が容易にできると思い込んでいるヒトが多く存在しています。

 例えば、銃をあなたが撃つことを想像してください。

 特殊部隊は、どこになると思いますか?

 特殊部隊は実は発射される弾です。弾を発射するために、銃が必要であり、銃を操作する知識も必要であり、目標に弾を当てる技術も必要です。

 人質救出作戦は、特殊部隊だけを鍛え上げることは弾の威力を高めるだけでしかありません。

 それでは法整備して救出が可能なようにすることは、銃を操作する知識を得るだけと同じです。目標に弾を当てる技術、銃も無い状態で人質救出が可能というのは異様な話です。

 正確な情報=目標に弾を当てる技術、支援=銃が無ければ不可能なのです。

 それよりも何よりも、表沙汰にはなっていませんが、タイで行われた「多国籍間共同訓練コブラゴールド15」で行われた邦人救出の訓練では、広報が「正当防衛」以上の攻撃はできないことを口にしました。

 正当防衛で戦場を無事に通り抜けようとは、誰がどう考えても無理なことがわかるはずです。

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