元自衛官の憂い The third
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07280205 | [PR] |
01051030 | 大地震への備え |
筆者には摩訶不思議な話ですが…東日本大震災と巨大な津波が発生し、数多の犠牲を出しました。直後、「地震予知は不可能」との言い訳のような話がメディアから伝えられましたが、次の大地震「南海トラフ地震」が間近だと伝えられるようになりました。
予知はできないはずだったのでは???
「日本地震学会」は2012年に、警報に繋がるような決定論的な予測のみを地震予知と、それ以外の日常的に公表可能なものは地震予測とする定義を発表し推奨しています。
「予知」は現在の科学レベルでは不可能、困難なレベルではありますが、大地震による被害は甚大で国民の関心は高いものがあります。
当然、メディアは国民の関心を利用し部数や聴取率、視聴率を上げるために地震の話題を取り上げてしまいます。
今村明恒教授をご存知でしょうか。明治、大正時代の人ですが、今村教授は震災予防調査会が過去の地震記録から、関東地方では周期的に大地震が起きると予想し、1905(明治38)年に"今後50年以内に東京での大地震が発生する"との警告と対策を求める記事を雑誌に寄稿しました。
この記事を一部の新聞社が「東京で大地震」とセンセーショナルに伝え、社会問題化してしまいました。当時、上司であった大森房吉教授(大森式地震計を開発)からデマだと攻撃され、「ホラ吹き今村」と呼ばれるようになります。
しかし、1923(大正12)年に関東大震災が発生し、今村教授は「地震の神様」と賞賛されるようになりました。
このように今村教授は、関東大震災を予測したのではなく、地震が起きる可能性と備えを訴えたのであって、デマでもなければ予知でもなかったのです。それほど、国民は地震に対する関心が高いのです。
悲観的になってしまいますが、現実的に日本は外交問題では戦後最の危機的状況にあり、さらに大地震まで考えられる状況下にあります。
首都直下型地震の被害想定は、死者数最大で23,000人、避難者最大で720万人、帰宅困難者最大800万人、経済被害は建物等の直接被害約47兆円、生産・サービス低下被害約48兆円、地震直後から都区部の約50%が停電。電力供給能力は50%程度、復旧まで一週間以上を要するとされています。
通信は固定・携帯ともに電話は90%が1日以上通信規制となり、停電ともなり非常用電源も喪失する可能性があり、通信途絶はさらに続くことになります。上下水道は約50%が断水、約10%が下水道使用不能。
交通は地下鉄が約1週間、私鉄・JR在来線は約1ヶ月の運行停止が予想されています。これは、被害予測のごく一部です。
大地震に対する備えは、防衛問題に対す備えにも直結するものです。復旧・復興もまた同じです。
日本政府は民主党(現:民進党)時代に東日本大震災が起き、その後自民党政権となりましたが、震災の復旧・復興は国が関わろうとする姿勢は変わっていません。民進党でも自民党でも変わらないのです。
震災の復旧・復興に無関心ということは、仮に戦災で日本中に被害が出た場合、全く同じ光景が広がることになります。地震に対する備えは、発生後の対処は国防問題に直結していることを知って欲しいものです。
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