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元自衛官の憂い The third

軍事的色眼鏡で見る世界 軍人は究極の合理主義者です。 合理主義者であるが上に、「人道」を忘れたり、犠牲にしたりすることがあります。 軍人は行動は計画的、本心を隠す、混雑する場所を避ける、計画的な金銭感覚、意志が固い、職場での信頼を得やすい、そして最後に家庭では扱いがぞんざいにされるです。 家庭ではぞんざいに扱われながらも、軍事的色眼鏡で見てしまう元自衛官の雑感などを書いていきます。
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  • :07/28/08:50

01070636 尖閣有事を語るのは間違い

なぜ明かされるのか理由がわかりませんが、尖閣諸島をめぐる中国との有事を想定した自衛隊の対処方針が夏までに策定されるようです。

どれほど敵対している国であっても、それを前面に出して報道さするのは如何なものでしょうか。これでは、どれほど外交交渉をしても関係改善は不可能です。


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政府/防衛省、一部の高級幹部自衛官は離島奪還が可能だと考えているのでしょうが、かなり無理があります。

報道されている内容ですが、政府が想定する尖閣有事は①中国公船と海保巡視船が偶発的に衝突、②対抗手段として中国が公船を大量に現場海域に投入、③中国海軍艦艇が展開、④中国軍空挺部隊が尖閣上陸というシナリオだそうです。

読売新聞では、これに対し(1)陸自地対艦ミサイルで離島に近付く軍艦を牽制、(2)空自戦闘機と海自護衛艦による対地攻撃で敵を制圧、(3)陸自部隊を上陸させる、というものですが、侵攻部隊に対し地対艦ミサイルの配備が有効なエリアに展開されているのか、空自戦闘機と海自護衛艦が作戦行動するには制海・制空権を自衛隊が握っていなければなりません。陸自部隊を上陸させるためにも、制海・制空権は絶対的に必要になります。

尖閣諸島は無人島ですから、これでも通用はします。しかし、ガチンコ対決で何でもありの有事=戦争で、尖閣諸島に中国が手を出せば米軍が出てくる可能性が高いのに、中国は米軍と衝突を覚悟の上で尖閣諸島限定で戦争を仕掛けるでしょうか。やるなら、徹底的にやってくるでしょうし、だとすればもっと侵攻してメリットのある離島を狙ってくるのではないでしょうか。

殺し合いで尖閣諸島だけで矛を収めるとは、説得力はありません。

尖閣諸島に限定した攻撃で少数の部隊を上陸させても、機雷封鎖や潜水艦を使い封鎖すれば補給は続きません。尖閣諸島だけでは、軍事的に全く意味がないのです。

筆者が中国の軍事指導的立場であれば、対日侵攻は対米戦も覚悟の上で、空港や港がある離島に軍を進めます。対米戦も覚悟すれば、沖縄の米軍基地に何らかの攻撃を実行します。兵器だけでなく、市民運動も利用します。未来の事ですが、トランプ氏が大統領に就任し日本と駐留経費などでもめるようなことがあれば、これを利用しない手はありません。

本土には直撃させずミサイルを誤射だと偽り、東京湾などに着弾させて事前に脅しておくこともします。誤射であれば、言い訳は何とでもできます。米国との間で駐留問題があれば、米軍を派遣する可能性は極端に下がります。戦争はカネがかかりますから、トランプ政権は軍の派遣を見送る可能性さえ考えられます。なぜなら、領土問題は基本的に関わらないのが基本だからです。

となると、中国が離島に対し侵攻する可能性は低いのです。尖閣諸島だけを狙ってくる可能性もまた極限されます。日本政府/防衛省、そして一部の高級幹部自衛官は、予算獲得の為かどうかは憶測の域を出ませんが、作為的な中国脅威論があるのではないでしょうか。

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