元自衛官の憂い The third
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05291826 | 安倍晋三流? 安倍三流? |
「戦後レジームからの脱却」を掲げながら、「ポツダム宣言」を読んでいないと大見得切った首相殿。戦後レジームがなにか、ご本人もわかってないのかもしれません。
党首討論で安倍首相がポツダム宣言の内容について、まだ詳らかに読んでいないという発言をしました。戦後レジームの〝原点〟とも言えるポツダム宣言を読んでいないと言ってのけられるのは厚顔無恥としか言い様がありません。
国会では討論議題が事前に通告されており茶番劇としか言えませんが、党首討論の場合は事前通告は簡潔でいいという慣行が党首討論の面白さを増します。
ポツダム宣言について質問したのは、日本共産党の志位委員長でした。
ちなみに志位委員長の伯父である日本陸軍第3方面軍の参謀であった志位正二少佐で、祖父は志位正人中将。両親ともに日本共産党員であり、志位正二少佐は満州でソ連に抑留され、赤化スパイに仕立て上げられた人物です。
民主党の岡田代表の質問にはのらりくらりと逃げた安倍首相ですが、ここでも「後方支援」という言葉で逃げていますが、現代の戦闘では前線も後方も区別できません。兵站線を断つために、後方を先に叩き潰すのが常識です。
イラク派遣をたたき台に、新たな自衛隊の派遣を考えたのでしょうが、イラクは特殊な環境下にあったことを無視していることは否めません。
ましてや、「専守防衛」という建前上、装備はすべて国内での活動を想定したものばかり。輸送機の航続距離は短く海外展開など無理。立派だとされる個人装備は、苛酷な環境下で使い物になるか疑問だらけ。戦車やイージス艦、戦闘機は一流の物を揃えられても、必要な補給がどこまで行き届くかわからない。資機材が不充分であるのを承知の上で、玉砕覚悟の特攻作戦を展開したのが「東日本大震災」でした。隊員たちは活躍しましたが、それはすべての面で充分な「物」が無かったからこそ、強い自己犠牲の精神で活躍したのです。
大規模な災害が起きたとき、日本の支援が動き出すのは決まってスローモーです。これは、この国の平和ボケの証拠であり、危機管理能力の希薄さが招いた結果です。
例えば、陸自第1空挺団を思い浮かべてください。陸自の機動展開部隊ですが、その能力を発揮するため、隊員は輸送機からパラシュート降下するわけですが、輸送機に乗り込むには、柏市の海自航空基地まで行かなければならず、肝心の輸送機は埼玉県入間市から飛来するのです。仮にヘリで移動するにしても、ヘリは木更津の第1ヘリコプター団から飛来するという状態では、機動展開など無理なのがわかります。
これは、やがて創設される陸自水陸機動団についても言えることです。
非戦闘地域とは言え、戦場に自衛官を送り出すのに、リスクの説明も無ければ、「大丈夫」の一点張り。補償はどうするのか。戦死すれば、二階級特進となるのか、何も決めずに先に進めるのは、現場の隊員に自己犠牲を求めているという醜悪な権力者の姿を安倍晋三はさらしています。
日米間の軍の協力を強化するのであれば、単純に安保条約を改定すればいいだけのことです。話をややこしくして、焦点をぼかして自衛隊の活動範囲を安易に広げるのは、今回の動きの目的は別にあると見るべきです。安倍首相の言う、国民の生命・財産を守るためのものではなく、別の目的があるのではないでしょうか。
筆者は集団的自衛権が行使できるようにすることは必要だと認識していますが、アメリカのためだけに集団的自衛権を云々するのは愚か極まりないことです。日本の宗主国のようなアメリカである以上、汚れ仕事が回されることはあり得ることです。
戦争は国家の国益が第一優先されるため、アメリカの国益が日本の国益にもつながることはほとんどありません。
すべてが有耶無耶のままで進めようとするのは愚者の選択です。
日本は憲法改正のチャンスを自ら逃がしているのです。北朝鮮による日本人拉致問題解決のために、憲法改正の土壌を拓くことができたはずです。現在は核保有国となった北朝鮮に対抗するために、日本の核武装さえ論じられる土壌があるのです。
にもかかわらず、安倍首相は何も触れないということは、何を意味するのか我々は熟考する時なのです。
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