元自衛官の憂い The third
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08070926 | 広島原爆の破壊力 |
科学的な分析資料を基にお話します。
広島に投下された原爆には約50kgのウラン235が使用されており、このうち核分裂を起こしたのは約1kg程度だと推定されています。
爆発で放出されたエネルギーは約63兆ジュールとされ、TNT火薬換算で15,000t相当。爆風(衝撃波・爆音)・熱線・放射線が放出されました。
炸裂した瞬間、炸裂点の気圧は数十万気圧に達し、これが爆風を起こしました。爆心地での風速は440m/s以上。音速は349m/sですから、音速を超えていたことがわかります。この風速は強い台風の中心風速の10倍。爆風のエネルギーは風速の3乗に比例し、原爆の爆風のエネルギー比は台風の暴風の1,000倍でした。
風圧は350万パスカル。これは1㎡当たりの荷重が35tという驚異的なものでした。
熱線は炸裂でできた火球の表面温度は数万度に達しましたが、熱線は赤外線として炸裂から3秒間に一挙に放出されました。
爆心地の地表面が受けた熱線は太陽の照射エネルギーの数千倍。詩人の橋爪文さんは、「広島に太陽が落ちてきた」と形容しました。3秒間に放出された熱線をたとえることは難しいです。爆心地から20km離れた呉海軍基地などでは、屋外に出ていた人は火傷はしませんでしたが、「炸裂」した瞬間に「熱い」と感じたそうです。
原爆の炸裂で熱傷、外傷、放射線障害を広島市民は禍の中に放り込まれたわけです。
長期的には熱傷・ケロイド、放射線障害、精神的影響、胎内被爆、被爆二世など数多の禍が降り注いだのです。
個人的には不幸な現実だと思いますが、核実験反対・核廃絶を訴える被爆者たちを主義主張を背景に利用した人間が出てきて、こうした政治利用が被爆しなかった多くの日本人から、核兵器(原爆)への関心を薄れさせたのだと思います。
なんと愚かなことでしょうか。政治色が薄れ、私たちは今こそ広島・長崎に目を向けるべきではないでしょうか。
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