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元自衛官の憂い The third

軍事的色眼鏡で見る世界 軍人は究極の合理主義者です。 合理主義者であるが上に、「人道」を忘れたり、犠牲にしたりすることがあります。 軍人は行動は計画的、本心を隠す、混雑する場所を避ける、計画的な金銭感覚、意志が固い、職場での信頼を得やすい、そして最後に家庭では扱いがぞんざいにされるです。 家庭ではぞんざいに扱われながらも、軍事的色眼鏡で見てしまう元自衛官の雑感などを書いていきます。
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  • :12/04/09:08

01310713 戦争にビギナーズラックはあり得ない

いろいろ新聞等を眺めていますが、産経新聞は面白い記事が豊富です。右の代表格を自負しているようですが、実際はど素人の集まりです。

なのに、右の代表を自負できるのですから、如何にこの国の右のレベルが低いかわかってしまいます。


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23日の記事だと記憶していますが、「近くミサイルも発射か…高まる朝鮮有事の危険性 そのとき自衛隊は何ができるのか?」というものがありました。

内容をかいつまんでお話しますと、防衛省幹部が「軍事境界線付近で起きる南北の小競り合いから生じるエスカレーション」がシミュレーションされ、大規模な衝突に発展。進退窮まった北朝鮮はミサイル使用を見せ、アメリカ海軍がイージス艦を公海上に展開。アメリカはイージス艦の防護を日本に要請する―というものです。

笑ってしまいました。こんな程度なんですね~。

ちょっと考えれば、こんなことなどあり得ないことだとわかるはずなのですが、右にばかり目が行きすぎ周りに眼が行かなくなっています。

海上に数隻の艦艇があり、その艦艇が多国籍の艦隊で、どのフネがどこの国のものかなど観艦式でもない限り見分けることなしませんし、できないのが実情です。

日本海にイージス艦を含む艦隊が現れたら攻撃はしますが、「あれはアメリカのフネ」「これは日本のフネ」「これは南鮮のフネ」などと確認するでしょうか。

ミサイルにしても、どこを目標にしているかなど発射されてからわかるのですから、それもある程度時間が経ってからですから、どのタイミングで破壊するか難しい選択になります。

現実には「何ができるか」ではなく、「できることは限られる」のです。朝鮮半島有事が現実のものとなった時点で、日本は戦争の真っただ中に立つのです。何ができるかなど論じている暇はありません。

アメリカ海軍のイージス艦防護のためにノコノコ出かけ、海自イージス護衛艦だけが攻撃されることさえあり得るのです。

ミサイルにしても「日本に向けて発射し~す」と北鮮は言うはずがありません。攻撃されたくなければ、自衛隊は問答無用で迎撃しなければならないのです。

もっと言えば、集団か個別かなどと論じ合っている時間さえありません。たとえば深夜、友人と二人で歩いていると10mの距離で強盗が現れました。強盗の手には拳銃が握られています。その銃口があなたとあなたの友人のどちらに向けられているか確認しますか? 確認するとして、現実に確認できるでしょうか?

日本の間近で紛争が起きれば、何ができるかではなくできることは何でもする覚悟を持たないと日本を護ることなど不可能です。

産経さん、そんなこと言ってる場合じゃないんです!

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