元自衛官の憂い The third
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08020221 | [PR] |
04251230 | 教訓を得ない日本人 |
3.11について5年が経過し、様々な論調が目立ちました。その中で、目立ったのは5年が過ぎ「世の中を無駄に暗くする」「キレイごと」「いつまでもカネ送ったりできるわけない」「自分らは何をしている、復興のために何をした、これから何をする」など震災にこだわることを否定する論調が目立ちました。
震災に対しそれぞれの想いがあるのは当然のことです。それはそれで決して悪いことではありません。
しかし、そこから得られるものを無視することはあってはならないことです。
今回の熊本地震は、東日本大震災から教訓を得ていないとしか言えない対応が目立ってはいないでしょうか。
東日本大震災は筆者には故郷の被災であり、関東地方で大きな揺れを経験しました。筆者が感じたのは、「いつ何時、何が起きても不思議ではない」ということでした。
東日本大震災は原発事故を招き国家的な危機だったのは誰しもが理解していることです。発災後、様々な物資が被災地で必要になり、物資の輸送と分配に工夫がこらされました。
震災から5年しか経っていないのに、熊本地震では、その教訓が活かされたというと残念ですが、全くその教訓が活かされていないと言えます。
発災後、必要な物資はわかっていたはずです。それが、無視されたのか忘れ去られたのかはわかりませんが、完全に生かされることはありませんでした。
1995年阪神淡路大震災、2011年東日本大震災と大きな悲劇を日本人は経験しましたが、残念ながら日本人はここから何も教訓を得ていないとしか言えません。
原発素人ですが、福島第一原発事故は電源の喪失が第一の理由です。原子炉制御用の電源が喪失し、予備電源も使用不能となり原子炉が暴走したはずです。ここから得られるのは、まず電源の確保が考えられます。
大型の発電機を搭載した車両等を準備することが考えられますが、原発再稼働で発電機等が準備されたというニュースを耳にはしません。避難がどうとか、ヨウ素剤がどうとか、電源確保は考えられていないようにしか思えません。
仮に東日本大震災で教訓を得たのであれば、各自治体、町会など非常用の物品を備蓄する動きがあっても不思議ではないはずですが、そうした動きすらありません。
非常用物品を備蓄し、他地域で災害が起きた場合、そこから被災地に送られるようにすれば、備蓄品の更新にもなり支援にもなるのではないでしょうか。
世界に誇る物流システムを持つ我が国が、救援物資等が行き渡らないなど起きるはずがありません。
官でできないのであれば、民に依頼するという選択は常識を持っていれば誰もが選択することです。それをやらないのはなぜか。くだらないセクト主義に走る官僚による棄民ではないでしょうか。
避難所として自治体に登録されていないと物資が届かない、そんな愚かなことがあっていいのでしょうか。自治体職員の手が足りないのであれば、機動性のある自衛隊に任せるなどやり方はあるはずです。
それができないのであれば、あちらこちらに入り込むメディアと協力して情報を収集させることだって可能ではないでしょうか。
どこにでも入り込めるメディアの能力を考えれば、それくらいの協力を求めても問題はないはです。
地震で被災されたみなさんは、悲劇の被災者である前に人間として生き延びなければならないのです。これが、何よりも優先されることです。
もう終わりにしませんか。教訓を得、それを活かすことを日本人はいま求められているのです。
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