元自衛官の憂い The third
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07282058 | [PR] |
07181136 | 日本の脅威 |
新型ミサイル試射で日米首脳は強い反応を見せています。中国は相変わらず曖昧な姿勢を崩さず、新たにロシアが北朝鮮の後ろ盾になろうとしています。
中朝関係は謎の関係です。朝鮮戦争で大きな犠牲を払い朝鮮半島に中国は緩衝地帯を構築しました。
この緩衝地帯の支配者は、核兵器とその投射能力を整備し、東アジアの火種となっています。常識的には緩衝地帯が火種になることはあり得ないことで、中国に何の利益があるのか全くわかりません。
あくまでも個人的に中国の態度を考えると、彼らは彼ら独特の「大国意識」を持っており、北朝鮮のミサイルは中国が展開するミサイルと同じだと解釈しており、朝鮮戦争後、自力で軍備拡張しているのだから中国にとって喜ばしいことでしょう。
結果的に全ては中国のものになるのですから、ここで騒いでも何ら中国の国益にならないと判断しているものと思われます。所詮、北朝鮮など中国が本気になればどうにでもなるのですから。
中国のこうした状況と、朝鮮戦争での毛沢東の遺訓があります。
「坑美援朝保家衛国」です。
中国は朝鮮戦争で米軍の参戦が、中国の安全を脅かしているとして、「朝鮮人民解放戦争を支援し、アメリカの帝国主義及びその手先の侵攻に対抗して、朝鮮人民と中国人民、東方諸国の人民の利益を守るため、中国人民志願軍は迅速に朝鮮領土内に出動し、朝鮮の同志と協力して侵略者と闘い、栄光ある勝利を勝ち取ろう」と命令書に記しました。
後漢書に、北方異民族である羌(きょう:現チャン族、チベット族系)の反乱を鎮めるため、漢は異民族である小月氏(羯(けつ)匈奴の一部)と連携し鎮定に当たりました。
「夷を以て夷を制す(夷を以て夷を伐つ)」というものがありますが、この裏には「夷を以て夷を制すというような覇道による物事の行い方では本当の解決は得られない。真に行うべき道は相手をおころから心腹させるような王道をに由らねばならない」といった意味が込められています。
つまり、単なる参戦ではなく異民族を利用するには、異民族のために汗と血を流さなければならないというものです。羌が小月氏を攻撃した際に、漢は小月氏とともに羌と戦いました。
つまり、北朝鮮を利用するという中国の思惑が大きく働いているのは言うまでもありません。北朝鮮の国益は、中国の国益でもあるのです。
北朝鮮の脅威は、中国と一体であるということを日本(私たち)は理解しなければなりません。つまり、尖閣諸島で圧力をかけている中国と本質は同じなのです。中国が北朝鮮を擁護するのは、様々な中国の思惑があるのです。
北朝鮮の脅威を排除するのは、現状ではほぼ不可能です。なぜならば、日本は中国の仮想敵国である米国と同調するだけでなく、常に同じ立ち位置にいようとするためです。日本独自に、日本の国益を真に守れる外交政策を考え、それを実行しないと解決はできません。中朝を分断させることです。仮にそれが実現すれば、米国の国益にもなり、米国の何らかの支援があるのではないでしょうか。
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