元自衛官の憂い The third
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05190937 | 本当に大丈夫? |
伊勢志摩サミットが近づいてきました。
日本もテロの標的になると言われ続けて何年になるかわかりませんが、依然としてテロの標的になっているのでしょうか?
数日前、羽田空港内を数匹の犬が歩き回り、運航される航空機に近付いて遅れが出たとニュースで言っていました。傑作なのは、「どこから入ったのかわからない」と言うのですから、羽田は絶好のテロの標的との保証が付けられたようなものです。サミットが近いというのにです。
羽田空港を利用される方もいらっしゃると思いますが、空港内で働いている人に外人さんが多いのご存知ですか?
外国人労働者を否定はしませんが、空港という重要ポイントがこんな有様でいいのでしょうか。
重要地区(VIA:very important area)はテロだけでなく、有事の際には更に重要度が増します。ことに空港は、VIAの中でも特別な位置付けをされます。
日本では自衛隊の航空基地しか浮かばないでしょうが、民間空港もVIAに含まれています。
軍用航空基地は燃料タンク、弾薬庫、指揮所などを地下化し、滑走路が破壊された場合にはマット等を準備しています。航空機は鉄筋コンクリート製のシェルター内に格納されます。
自衛隊の航空基地では舗装も強化されていませんし、燃料タンク、弾薬庫等が地下化されている基地はあまりありません。空自千歳基地のみが、所在機の半数を収容できる格納庫があるだけ。他の空自基地でも即応待機する機体分しか整備されていません。奇襲されたら最後です。
基地周辺は保安上・安全上から緩衝地帯とするため、土地買収が進められますが、基地周辺はどんどん民間に買収されているのが実情です。一朝事あらば…どうするというのでしょうか。
予算が付けばこうした問題も解消できますが、防衛省の出入口をご存知でしょうか? 民間の警備会社が警備を担当していますが、国防の中枢が予算不足で民間警備会社に委託するとは威厳すら感じません。
軍民問わず航空施設は様々な施策が必要です。テロ等も含め有事の際には要員(空港の運用から保守管理までの要員)の禁足、対空火器等の展開、周辺道路の交通規制、車両用トラップの設置、接近する未確認航空機の撃墜許可などが事前に決めておかれるべきものです。
自衛隊の航空基地でさえ、これだけのことが可能なのか疑問なのに民間空港まで手が回るはずがありません。軍事アレルギーが多い日本では、実行不可能な施策です。
「水と安全はタダ」と思っている揶揄されてきた日本人ですが、ここ数年で水はタダではないことは認識されるようになったようですが、安全に関してはまだまだ理解は深まっていません。安全とは「自由」であることも含まれているのですが…。
軍事アレルギーは民間人だけでなく、実は官公庁にもあります。例えば、かつて防衛庁が民間空港も有事使用を検討しましたが、運輸省は全く興味を示さずよーいドン!で終わったしまったことがあります。有事は戦時に限らず、大規模災害時も含まれますが、首都圏を震源とすると大地震が起きた場合どうするというのでしょうか。
航空基地等の周辺騒音訴訟が起きますが、実はかつては住民転出促進が図られましたが、新規流入を防止しておらず、転出住民よりも転入住民が上回ったという時期もあったのです。安全対策、防備対策のためにも必要なことですが、今では全く目を向けられていません。沖縄の基地問題もこうした側面があると思われます。
昨今、軍民共用化が進み、空自専用の航空基地は松島(宮城県)と築城(福岡)、新田原(宮崎県)だけとなっています。
那覇基地は本土復帰後、空自に移管されましたが、現在では民間航空、空自、海自、陸自の航空機が運用されています。那覇で昨年6月、陸自ヘリが滑走路を横切り、民間機に影響を及ぼしましたが、当然、お叱りを受けたのは自衛隊機です。軍よりも民間航空が優先されるのは、この国の現実です。
これはあくまでも一部です。大規模災害、有事と様々な事態にどう対応するのか。対応できるのか。
日本人すべてが注視しなければならないものですが、メディアが興味を持っていないため普通の国民は知る由もありません。
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