元自衛官の憂い The third
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03111754 | 東日本大震災 |
未来を語る前に、今の現実を知らなければならない。現実からしかスタートできないからだ。 ピーター・ドラッカー
3月11日を迎えました。
仕事の関係で記事をアップするペースが乱れています。
3月11日、東日本大震災が発生した日であり、日本・日本人が袋小路に迷い込んだ日でもあります。
安倍首相は東日本大震災の対応を民主党が失敗したと批判します。
では、自民党が政権の座にあれば、民主党のような失敗をしなかったのか・・・そんな保証はどこにもないのに、国民の多くはそうした指摘をしません。
筆者は震災復興政策が完全に失敗であり、民主党から政権を引き継いだ自民党(安倍)政権は被災地・被災者のこなど眼中にはありません。
津波被災地に防潮提が建設されています。岩手・宮城・福島の三県で約600ヶ所。総延長400Kmにもなるのを知っていらっしゃいますか? 総事業費は約1兆円。400Kmは東京~大阪間に匹敵する距離です。
どこぞの大統領が国境に壁を築くと豪語していましたが、日本の防潮提建設はどこぞの大統領と大差ない発想です。
復興政策失敗の大きな理由は、土建(公共事業)国家に先祖返りしたことです。未曾有の災害を土建事業で解決しようとしていることがそもそもの間違いです。
400Kmの防潮提に守られた土地に、どれほどの人が戻っているのか。これは、筆者が説明するまでありません。
この国は、一度事態が動き出すと、それが明らかに「失敗」なのがわかっても誰も止めることができません(止めることをしない)。さらに、失敗の責任追及をしない気質が日本国民にはあります。“できない”と言い換えるべきかもしれませんが、軌道修正すらできず、失敗の責任が問われないので行き着くところまで行ってしまいます。
財務省の文書書き換え問題が好例です。
文書が書き換えられたのは誰かの指示があったのか。書き換える目的は何だったのか。こうした問うべき問題がスルーされ、財務相・首相の責任問題となるのですから、野党は国民のための追及ではなく、単なる政争の小道具の一つとしかとらえていないことがわかります。
土建国家復活だけでなく、日本人気質である面子や体面を優先することも復興をさらに複雑な事態を呼びました。
東電福島第一原発事故で、放射性物質に汚染された地域の帰還が始められました。
政府は帰還を急がせていますが、ここでおかしなことが起きました。
国によって除染された地域に戻らない住民がいることは、政府に従わない勝手な振る舞いであるかのような印象を植え付ける主張が出たことです。
国が除染し「安全」だと言ったところで信用しろという方が無理なのはわかりきったことです。
小さな子供さんなど家族にいれば、帰らないことを選択するのは当然です。
帰還を急かすのは、政府と東電が結託した結果です。賠償を減らし、原発事業に対する国民の目をそらすことを考えているからです。
日本人は本音を言わず澄ましていますが、裏では文句を言い、国民は政府をバカにし、政府は国民をバカにしています。
本音を言わないために、声が大きく威勢のいい話ができる指導者現れると、引きずられて行ってしまいます。
その指導者が失敗しても、責任を自分よりも弱い立場にいる人に押し付けてしまいます。国民もわかっていながら、それを問題視せず誰かが罰してくれることに期待します。他人任せなのです。
北鮮と韓国が接近し、米朝首脳会談が実現しようとしています。これは、「圧力」一辺倒の安倍外交の失敗ですが、日本のどこからもそうした言葉すら出てきません。
野党に期待したいところですが、彼らは政争にかまけて、そんなことなど目に入っていません。
震災復興、外交と失敗が明らかであるにもかかわらず、誰もそれを指摘しない。
これは、この国が危険水域に入っている証拠です。「危険水域」とは、この国が崩壊するのが間近だということです。
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