元自衛官の憂い The third
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03131007 | 流行りもの |
流行を先取りするのをステータスにする人が少なくありません。「流行」を知らないと、なぜか軽蔑したような目で見て、〝そんなことも知らないのか〟という言動をしてきます。
日本人はとかく流行を追うのが好きな民族だと筆者は感じています。かつて、筆者は某国某ブランドの直営店の店長という方と知り合いました。日本人が海外に出かけて、ブランド物を買い漁り出した頃だったでしょうか。
その店長さん…「(日本人の)お客様ですから歓待しますが、当ブランドはカードでお買い物する客様は日本人のお客様だけなんです」と言っていました。
有名ブランド・ショップですから、お客様は社交界でも一流の方たちだけ。運転手付きの車でご来店、お買い物をしてお持ち帰り。お支払いは決められた日に「集金」というのが当たり前の商いだったそうです。カード決済は、いわば店の品格を下げるというわけです。
震災から5年。とある男性がYoutubeで、何やら「震災から5年」なんて言うな!と怒っていましたが、筆者は人それぞれだし、記念日的な扱いでも被災地に眼を向ける機会を作ることは悪いことだとは思いません。何も声高に訴える必要など、どこにも無いと思います。
筆者が子供の頃は、8月6日から15日の間は戦争映画やドキュメンタリーがテレビ番組の中心になっていました。
今では、映画はまず放送されませんし、ドキュメンタリーもごく限られたものだけです。いわば「季節もの」に成り下がったわけです。
戦争でさえこんな有様ですので、5年ですからまだまだ扱いは大きくされて当然だと思います。
筆者は被災地出身の立場もありますが、自衛官OBとしては震災を風化させることは非常に危険なことだと感じています。
「今日は人の上明日は我が身の上」という言葉の通り、いつなんどき災禍が私たち身の上を襲うか誰にもわからないのです。その時、復旧や復興、立ち直ろうとする時、東日本大震災の復興のように国は「口だけ」で済ませようとされる可能性があります。震災を風化させることは、自分の将来を放棄するのと同じことなのです。
天災だけではありません。緊迫化する世界情勢は、いつ大規模な軍事衝突となる可能性が日に日に高まっています。テロという無差別な攻撃だけでなく、逃げることすらままならない日本が巻き込まれる「戦争」や世界大戦さえ懸念さる時代になっています。
戦争が起きた場合、国は本当に我々国民を守ってくれるのか…。首都圏を中心に大規模な地震、東海・東南海・南海での連動地震、様々な災禍の可能性はゼロではないので、考え出したら精神的に病んでしまいそうです。
本来であれば、国や自治体が我々国民(県民・市区町村珉)を守ってくれるはずですが、東日本大震災後を見ていると、自治体のキャパシティを超えたものは国が強く指導・監理すべきなので、自治体に丸投げです。「カネは出していますがなにか?」と知らん顔。
原発にしても、率先して導入を促してきたのは自民党歴代の首相ではありませんか。能力が無かったとはいえ、震災直後は自民党の尻拭いをしていた民主党なのです。自民党が政権の座に返り咲いても、原発事故の反省すら口にしていません。
今では、原発の規制基準を自ら「世界最高基準」とまで言い切っていますが、「世界最高基準」とはいったいどういう意味なのか全くわかりません。それに、自画自賛する姿ははたから見るとみっともないだけでなく、筆者の目には「バカ?」としか映りません。その程度なのです。この国の為政者は…。
福島第一原発事故の原因の第一は、基準ではなく電源喪失だったと記憶しています。それならば、発電機、移動式発電機をそれなりの数を準備することが第一ではないでしょうか。NTTドコモさんなど、東日本大震災から得た教訓を生かし、我々でもわかる災害対策を行っています。(参照https://www.nttdocomo.co.jp/corporate/csr/disaster/)
ですが、原発発電事業者と監督する政府は、全く見えないばかりか理解できないことを原発に課しているように見えます。
流行を追う、先取りするこは「悪」ではありません。ただ、ものの本質を見失ってまでやることではありません。
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