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元自衛官の憂い The third

軍事的色眼鏡で見る世界 軍人は究極の合理主義者です。 合理主義者であるが上に、「人道」を忘れたり、犠牲にしたりすることがあります。 軍人は行動は計画的、本心を隠す、混雑する場所を避ける、計画的な金銭感覚、意志が固い、職場での信頼を得やすい、そして最後に家庭では扱いがぞんざいにされるです。 家庭ではぞんざいに扱われながらも、軍事的色眼鏡で見てしまう元自衛官の雑感などを書いていきます。
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  • :08/01/19:36

03291054 浮世離れ

 核兵器禁止条約制定に向けた交渉会議が国連本部で始まりますが、日本は条約制定に反対しています。

 被爆国でありながら、核兵器禁止に回れないのは日本は外交失敗の影響と見られますが、こうした事態に陥るのは足元を固めていない証拠でもあります。


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 核兵器など無いにこしたことはありませんが、日本政府はアメリカの核の傘に守られており、アメリカに強い配慮を示すために禁止条約には後向きにならざるを得ないのは理解できます。

 そうしたことがなぜ起きるのかというと、他力本願の国防政策を追求し続けてきたということに尽きるでしょう。

 北朝鮮の核の脅威にさらされる今、「核兵器禁止」を口にできないジレンマを抱えているのでしょう。しかし、国防政策を軽んじてきたツケを、ここで払う必要などあるのでしょうか?

 我が国が考えなければならないのは、北朝鮮の核が我が国の脅威になっているかということです。そして、その北朝鮮がどの国から核とミサイル技術を手に入れたのかを考えるべきではないかということです。

 その技術を流出させた国を責めるのではありません。そうした技術が流出した背景などを考えた場合、早急な核兵器禁止条約が必要だと認識できるはずです。

 さらに、北朝鮮の核兵器保有に関し日本には誤解が拡がっています。

 彼らは核兵器をアメリカとの交渉材料にするのではなく、使える兵器と解釈していることを我が国は理解すべきです。

 核兵器を「使える兵器」にするというのは、個人崇拝の独裁国家であるが故のことなのです。

 独裁者は常に自分の命が危険にさらされていることを、独裁者自身が一番わかっています。ですから、自分の血族を殺害します。人間誰でも、自分が殺されるのではないかと考えれば、殺されないように考えるのは当然です。自分の身を守るために、血族・近親者を殺すのです。

 そして、独裁国の脅威となる国と対等な関係になるべく武装を考えるのもまた当然です。北朝鮮にとり最も脅威となる国は「アメリカ」以外にありません。アメリカが交渉のテーブルに着かせるために核武装するのではなく、北朝鮮に対しアメリカが攻撃してこないようにする材料として核保有を急ぐのです。

 ましてや、国家経済が完全に破綻し、兵器を買い揃えることなどできません。かつては、(旧)ソ連なども支援してくれていたのでしょうが、今となっては中国ですら表立って支援することもできなくなっています。

 旧式な武装でアメリカ軍と互角に戦えるはずもなく、であるならば必死に核武装を推進させるしか北朝鮮(金正恩)に生き残る道は無いのです。

 つまり、北朝鮮にとって核兵器は、攻撃・防御兵器でもなく、独裁者を守る絶対的な兵器なのです。アメリカを攻撃できる核兵器があれば、アメリカは北朝鮮を攻撃し、独裁者のクビを取るようなことはしないと思い込んでいるのです。核兵器は金正恩の命の保険なのです。

 日本は北朝鮮の核兵器を曲解しているのではないでしょうか。安直に策源地攻撃などと言っていますが、日本が策源地攻撃能力を仮に持つことになれば、北朝鮮は在日米軍基地だけでなく、日本の主要都市を核ミサイルの標的に入れることは間違いありません。

 日本は柔軟に外交を展開すべきですが、安倍首相の硬直した思考は、反中国トモダチの輪を作ることでした。これは、残念ながら失敗に終わりました。「証人喚問」などと野党も騒いでいる場合ではないのです。

 外交の失敗は失敗として認め、新たな進むべき道を模索すべきですが、国会では「証人喚問」ばかり取沙汰されているという悲しい現実が拡がっています。

 そうしたどこか浮世離れした政治家たちの一つの結果が、核兵器禁止条約に後向きになっていることなのです。国民の多くも、日本が北朝鮮の核兵器の脅威にさらされているなどと考えている人はごく限られた人だけでしょう。

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