元自衛官の憂い The third
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07310336 | [PR] |
04011202 | 中国よ、これが日本の実力だ |
何が日本の実力なのやら??? 自衛隊に批判的な内容は、ウケは狙えませんが、「かが」の就役でウソやデタラメな話が罷り通っており、ちょっと目を覚ましていただくために裏話と事実をお話します。
海上自衛隊(海自)を揶揄する言葉として、「伝統墨守 唯我独尊」という言葉が用いられます。制服を着ている陸自・空自から見ると、海自は金太郎あめのようです。軍艦旗に代表されるように、海自はかつての海軍の末裔だと考えており、時代錯誤教育を幹部候補生学校(幹候校)で行われています。カレーだけじゃないんです!
自衛隊(ことに陸自)は旧軍を否定することから、その歴史がスタートしました。しかし、海自だけは別格扱いでした。それというのも、歴史上、陸軍「悪」・海軍「善」というプロパガンダが功を奏した結果でしかありません。
石油資源欲しさに北への備えを怠らない陸軍を、南に引きずり出したのは海軍ですし、どうしても226事件だけが陸軍の起こした反乱だと思い込んでいる人が大多数ですが、昭和7年5月15日に起きた515事件は海軍の若手将校が首相官邸に侵入し、内閣総理大臣犬養毅を殺害しています。
そんな海軍の末裔を自称する海自ですから、かなり怪しいと私は見ています。
「かが」が就役し、大本営発表を伝聞するだけの産経さんお得意の手法が生んだ奇怪な記事です。
私が問題視しているのは、自衛隊は慢性的な人手不足な上、艦艇に乗り組みを希望する隊員が減少傾向にあり、それでもなおフネを造り続けることに、海自は何を目指しているのか皆目見当もつきません。
いま、やっているのは尖閣諸島危機を煽り、「カネ(予算)が回って来るのでフネを造れるだけ造っちゃえ」といった、お年玉でおもちゃを買い漁る子供状態です。
ちなみに、自衛隊の人手不足は世の中にはバレないように工夫して公表されています。「充足率」と呼ばれるものです。2015年で充足率は92.8%という高い数字が海幕(統合幕僚監部)から出されています。数字的にはたかだか8%というものですが、話題の「かが」は470名の乗員が必要です。
「かが」は「くらま」の後継艦として建造・就役したわけですが、「くらま」は定員で360名の乗員が必要で、これで明らかなように「かが」が就役したことで-110名となります。この110名をどこから引っ張って来るのか・・・。
自衛隊生徒、一般曹候補生、2等陸海空士の新隊員を持ってくれば済むと思われるでしょうが、過酷な艦艇勤務を希望する隊員は減少傾向にあり、現実はかなり厳しい状況にあります。定員の5割など夢のまた夢。定員の3割程度などのフネもあると聞いています。
民間のフネならば、動くことが最優先されます。しかし、戦闘艦艇である護衛艦は動くことの他に、戦闘行動という重要な任務があるのです。フネは動くが、弾が撃てないということにもなりかねない状況にあるのです。
でも、こんな事、誰も言いません。防衛上の超機密事項です。
「フネが造れるなら、フネを造りヒトは後で手当てできる」と安易な発想が、こうした厳しい現実を招いているのです。海幕は算数ができない人が集う場所のようです。
そういえば、昔の軍隊は「精神主義」でした。これが、敗戦という惨めな結果をもたらした一つの原因ですが、伝統を重んじる海自はやはり「精神主義」で乗り切ろうとしているかのようです。
産経さんは、もしかしたら「日本の実力」とは、この精神主義を言いたかったのかもしれません。海軍の作戦はことごとく失敗し、世界に冠たる艦艇のほとんどを失い、非人間的であり、戦術の外道である特攻攻撃も考えたのも旧海軍です。ミッドウェーだけでなく、陸軍が泥沼にはまったガダルカナルの戦いを招いたのも海軍の責任です。
そんな旧海軍の末裔だと自称する海自ですが、これでもまだ皆さんは信用できますか?
お断りしておきますが、これはエイプリルフールのウソではありません!
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