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元自衛官の憂い The third

軍事的色眼鏡で見る世界 軍人は究極の合理主義者です。 合理主義者であるが上に、「人道」を忘れたり、犠牲にしたりすることがあります。 軍人は行動は計画的、本心を隠す、混雑する場所を避ける、計画的な金銭感覚、意志が固い、職場での信頼を得やすい、そして最後に家庭では扱いがぞんざいにされるです。 家庭ではぞんざいに扱われながらも、軍事的色眼鏡で見てしまう元自衛官の雑感などを書いていきます。
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  • :07/29/03:51

08012003 無理解なタカ派の主張

アレルギーとは、体内に取り入れた物質に対し過敏に反応する状態です。本来は体を守るための防御システムですが、過剰反応することをいいます。


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 日本人は先の大戦後、「軍事」に対しアレルギー反応をするようになりました。ですから、現在、議論されている「集団的自衛権」についても、それを実行しようとする側の政府と、それに反対する野党もまた〝よくわからない〟まま議論しているのですから、それを聞いている国民はわかるはずがありません。

 筆者は集団的自衛権行使容認は必要だと認識していますが、今回のアベさんのやり方だけは許せません。

 国防に「軍隊」は不可欠ですが、民間防衛、社会的理解、人口、経済力、政治的指導者の資質・能力・統率力等、情報収集・解析能力、地理的要因などを含め国家に相応の外敵からの侵略を抑止し、侵略を受ければ排除しなければなりません。そして、「正当防衛」も熟慮しなければなりません。

 日本で現在論議されている「集団的自衛権」は、米国もしくは豪州に対するものに限定され、米(豪)が国家主権を守るため単独では対応できず、公式に日本政府に援助を求め、これに日本国首相が自衛隊に対し防衛出動命令を下命、この命令で自衛隊が行動することになります。

 集団的自衛権とは、権利を行使しても〝許される〟というもので、「特定他国」を防衛することであり、〝権利を行使しなくてもいい〟ものです。

 筆者は集団的自衛権よりも先に、「集団安全保障」を議論するべきだと認識しています。集団安全保障は、〝奉仕〟の意から参加すべき義務で、特定他国の防衛ではなく「国際社会の秩序維持」にあります。

 集団的自衛権の起源は妻子等の自衛であり、集団安全保障は犯罪の防止にあります。集団安全保障は不参加に対する罰則はありませんが、不参加は〝恥〟とされています。

 昨年5月、安保防衛法制懇(安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会)は「国連PKO等や手段的安全保障措置への参加といった国際法制上合法的な活動への憲法上の制約はないと解すべきである」との報告が出されました。

 世界に通用する「日本」が生まれるかと思いきや、この報告を受けたアベさんは「集団安全保障の場における武力行使は決してしない」と発言し、お先真っ暗、元の木阿弥と思っていました。

 常識的に考えれば、米国が攻撃を受け他国に援助を求めることは絶対に考えられません。これまでの米国は、地域もしくは世界平和の維持のために、多国籍軍や有志連合を作り、米軍はその中心となってきました。

 であるならば、日本は米国との集団的自衛権行使ではなく、集団安全保障体制に組み込まれるべきものではないでしょうか。米国と共に、他国間で訓練を行い、オブザーバーに(アベさんが脅威とする)中国も招き、世界平和に貢献すべきが日本に必要なものであり、世界から評価されることではないでしょうか。

 ホルムズ海峡で機雷敷設などとグダグダ言ってますが、ホルムズ海峡に機雷が敷設されて集団的自衛権を発動するために被侵略国からの「救援要請」が必要ですが、オマーンやイランが日本に救援要請するでしょうか。

 ホルムズ海峡はペルシア湾沿岸諸国で算出する原油の重要な搬出航路であり国際海峡です。そこに機雷を敷設することは、単独の国家への攻撃意図ではなく、国際秩序に対する挑戦だと認識すべきものです。

 ホルムズ海峡の機雷掃海は、集団的自衛権ではなく集団安全保障なのです。軍事的知識がなくても、理解されることだと思います。しかし、アベさんは「「個別的自衛権で対処できないのは明白だ」とし、集団的自衛権に基づき対処する必要がある」と政府見解を主張しました。

 ピントがズレていると言うか、まったくわかってない証拠です。

 我が国だけの平和を唱える宗教のような独善的な平和主義者。なんの知識もなくタカ派を気取る首相。この国に未来はあるのか…不安になってきます。

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