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元自衛官の憂い The third

軍事的色眼鏡で見る世界 軍人は究極の合理主義者です。 合理主義者であるが上に、「人道」を忘れたり、犠牲にしたりすることがあります。 軍人は行動は計画的、本心を隠す、混雑する場所を避ける、計画的な金銭感覚、意志が固い、職場での信頼を得やすい、そして最後に家庭では扱いがぞんざいにされるです。 家庭ではぞんざいに扱われながらも、軍事的色眼鏡で見てしまう元自衛官の雑感などを書いていきます。
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  • :07/27/18:58

03310720 自衛隊は軍隊ではない!

IAMD なんだそれ???


小野寺防衛相がIAMDについて語りましたが、これは統合防空ミサイル防衛です。前のめりに小野寺さんはどんどん先に進んでいますが、実はIAMDを導入しても自衛隊が使いこなせるのかという不安があります。



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 自衛隊は軍隊か、神学論的な論争がありますが、見た目は軍隊とまったく変わらないですから、事情をわかっていないと同じに見えても不思議ではありません。



 しかし、実際には他国の軍隊と自衛隊は別次元に生きる軍隊なのです。“通常の国”の軍隊は、その国の法律の枠の外で活動することが認められています。日本人には考えられませんが、戦争という非常事態下で活動するため、こうした措置は当たり前なのです。ですが、自衛隊は戦時下での活動を前提にしていませんので、一般行政機関や民間機関とまったく変わりなく規制を受けています。



 戦場を部隊にした映画で、「衛生兵!」と前線で叫ぶ兵士が描かれますが、他国軍の衛生兵は自分の判断で投薬、注射、簡単な外科的な処置まで行います。それは応急処置の範疇を超えたものです。



 自衛隊では衛生兵に相当するのは「救護員」ですが、救護員は看護士資格と同じなため医師(医官)の指示がなければ何もできません。陸自の救護員は、その名の通り「救護」員なのです。医官も配置されているのは、旅団もしくは師団単位のみです。


 


 前線で戦う分隊、小隊、中隊単位では中隊に救護員が配置されているだけです。前線で負傷しても、小隊→中隊→大隊→連隊→旅団(師団)と後方へ後方へ、そのまた後方へと送られ、救える命も救えない可能性があるのです。実戦を想定していない軍事組織もスゴいですが、その事実がまったく知られていないのもスゴいことです。



 法律による規制は、日頃の訓練にも大きく影響しています。東日本大震災で自衛隊の無線機の問題が取り上げられたことがありますが、予算上、無線機の更新が進んでいないことと割り当てられた周波数が、無線による交信に適していないからです。



 無線周波数の規制は、空自が装備するE-2Cに大きく影響を及ぼしています。E-2Dが導入されますが、E-2Cの訓練はフルスペックでできないのです。電波法のためです。これで、有事に機能するのか不安ですが、これが現実なのです。



 E-2Cの持つECM(対電子戦)訓練ができません。となると、空自のAWACS、最新鋭のF-35BもまたECM訓練が規制されている可能性があります。



 空自がECM訓練できないのであれば、陸自、海自のECM訓練もできていないということになります。



 それでいて、在日米軍には日本の法規制は適用されません。自衛隊はNGでも米軍はOKとはなんとも不思議な現実ですが、威勢のいい安倍さんはこうした事実を口にすることをしません。それでいて、憲法改正すれば国防の穴は埋まるかのような発言ばかり。本当にそれでいいのか、日本の未来が問われているのです。

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