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元自衛官の憂い The third

軍事的色眼鏡で見る世界 軍人は究極の合理主義者です。 合理主義者であるが上に、「人道」を忘れたり、犠牲にしたりすることがあります。 軍人は行動は計画的、本心を隠す、混雑する場所を避ける、計画的な金銭感覚、意志が固い、職場での信頼を得やすい、そして最後に家庭では扱いがぞんざいにされるです。 家庭ではぞんざいに扱われながらも、軍事的色眼鏡で見てしまう元自衛官の雑感などを書いていきます。
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  • :07/27/03:36

04121914 疑惑の館

森友、加計、日報と三点セット状態の安倍首相の周辺で噴き出した問題ですが、全てに共通しているのは、トップをそんたくするあまりの行為が生んだものだということです。



自衛隊に関する部分を取り上げれば、「日報」が問題になったのは存在の有無ではなく、日報の文言からでした。



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 日報問題の発端となったのは、南スーダン国連平和維持活動(UNMISS)に派遣された陸自の日々活動報告(日報)の、「戦闘」と記載されていたのものを、当時の稲田防衛相が国会で「武力衝突」と言い換えて答弁したことからです。



 この日報が情報開示請求され、防衛省は日報が廃棄されているして開示しませんでした。その後、日報が他部署に残されていることがわかり、「今さらあったとは言えない」と公開しないことにされました。



 問題はここから変質します。「戦闘」という文言の有無から、日報の有無に変わり、それを稲田大臣が報告を受けていたのか否かが問われるようになってしまいます。それが、今では「防衛省、自衛隊を作り直す」と野党幹部が口にするほどになっています。



 まともな政治家が少しでもいれば、こんなことは起きないでしょう。南スーダンから自衛隊が撤収する判断材料はなんだったのか?



 今後の国連平和維持活動に日本はどう関わっていくのか? PKO五原則をどうするのか? 議論すべき点は山ほどあるのに、「防衛省、自衛隊を作り直す」では、誰のための何のための政治なのか全くわからなくなります。国連平和維持活動はどんどんややこしくなっていて、「停戦監視・兵力の引き離し」から内戦型紛争に介入する方向性となっています。



 民族差別、宗教対立、残虐性、民族浄化、人権侵害防止、難民支援、武装解除、武器使用を含め積極的関与が基本となりつつあります。なのに、この国の政治家は「防衛省、自衛隊を作り直す」です。



 今はPKOのニーズがありませんが、もし日本がPKOに参加することになれば、また一から論争を始めることになるのでしょう。「武力衝突」か「戦闘」かなどと言葉遊びをしているようでは、この国は世界から取り残されてしまいます。



 そもそも「日報」とは何か。これも国会の論争から抜け落ちています。



 「日報」は自衛隊では二つの目的があります。一つは、指揮官の指揮を適切にするため。もう一つは、今後の参考にするためです。筆者が在職中の過去のことなので、現在は変わっているかもしれませんが、一般企業では申し送り書・業務引継書・備忘録と理解してもらえばわかりやすいと思います。



 日報は一般業務・運用(自衛隊では「作戦」を運用と言い換えています)に関することが記載されます。日報から指揮官は現場の状況・状態を把握し、指揮官として一般業務・運用に資する資料とします。たとえば、権限を超える判断が必要な場合には、上級部隊・上級指揮官に報告され指示を仰ぎます。



 軍隊では部隊の指揮系統は単一で、指揮官は単独であらゆる場面で判断が求められます。しかし、部隊が大きくなれば処理しなければならない情報が膨大な量となり、この情報は参謀(幕僚)が収集・処理し指揮官を補佐します。



 日報が上級部隊に送られ、幕僚が日報を写し取り、これが残されていたというのが今回の日報の存在でしょう。ということは、残されていたという日報は公文書ではないことになります。



 「隠蔽体質」と自衛隊に厳しい言葉が投げかけられますが、東日本大震災から多少の理解を国民から得られましたが、それmでは税金泥棒と罵られ、時には石まで投げつけられました。制服で街を歩けば何をされるかわからないと、制服を着て街を歩くなとお達しが出るほどでした。



 完全に継子扱いされていたのですから、自衛隊に継子根性も芽生えるのも当然です。現場は萎縮し消極的になってしまう、微妙な判断、上層部が問題視されるような場合、報告すらされなくなることすら起こり


得ます。やがて、指揮官が現実・事実を知らずに判断を誤ることにも繋がります。



 日報問題は何が問題なのか、それを見誤ると問題の解決どころか新たな問題を生んでしまいます。 

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