元自衛官の憂い The third
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01091627 | 評価はできますが… |
集団的自衛権行使容認、安全保障法改正と安倍首相のリーダーシップを認めますが、暮れの日韓交渉は安倍首相の本性が見えてしまいました。
「集団的自衛権」を“賛成”か“反対”かで論議することは、あくまでも日本的なものでしかありません。筆者から見れば、左右のどちらの皆さんも「集団的自衛権」という言葉をもてあそんでいるとしか思えません。日本国内でしか通用しないものです。
たとえば、「集団的自衛権」を反対するのであれば日本独自で国防を負担するのか、賛成はこれまでの防衛戦略を容認するだけで何も変わらないということになります。
集団的自衛権行使容認反対派は…自衛隊についても反対だったように思うのですが、彼らは集団的自衛権行使容認反対=自衛隊反対=国を守らなくても良いとなります。
自分の家を出かけるときに鍵をかけますが、こうした主張をする人は鍵をかけなくても良いと言っているのと同じなのですが、彼らはその主張について誰も疑問を感じないようです。
中でも最もユニークなのは、安保法制に反対した学生の中に、領土問題のある国と話し合うという学生がいました。
帰宅して家の中に泥棒が居て、その泥棒と話し合うということになりますが、こんな危ないこと誰がするというのでしょう?
泥棒の無益さや人生などを説き、説得できるというのでしょうか。
現在、アメリカがどのような国であっても、世界トップの実力を持っているのはまぎれもない事実です。その国と同盟関係にあることは国益にかなうことは事実です。
筆者は核武装している国は、基本的にはジハード主義のテロリストと変わりはないと思っています。核を背景に、無理難題を言い、核を持たない国を恫喝するのですからテロ国家のようなものです。
しかし、外交・防衛のカードとしてアメリカとの同盟は必要悪なのです。
防衛費の「額」だけで日本は様々な主張がなされますが、日本は人件費だけでなく、導入する兵器も高額商品ばかりで、「額」が防衛力に反映されているとはいえません。それを理解していない右も左も同罪です。
同盟関係は相互依存が前提です。しかし、その「依存」は国によって違いがあり、集団的自衛権行使容認=戦争する国ななるというのは、現実を無視した考え方です。
当てにできないことを求めても、それは「無駄」なのはわかりきったことです。ですから、具体的に出来ること・出来ないことを話し合わなければならないのです。
安倍首相は、アメリカが困っているときに、このままでは助けにすら行けないとお涙ちょうだいのレベルの低い話を持ち出していましたが、これは大嘘です。
中国の現実的な脅威が高まったのは、ここ数年のことです。それまでは、現実的な脅威ではありませんでした。
その理由は簡単です。中国は戦力投射能力を整えたからなのです。戦力投射能力とは軍事力を準備し、輸送、展開し作戦を遂行することです。
日本が朝鮮半島有事の際、自衛隊が派遣されるか否か話題になりましたが、自衛隊に海峡を越えて朝鮮半島にどれだけ部隊を送ることができるというのでしょうか。
艦艇? 航空機? 何を使って送っても、中隊規模の兵力を送るので精一杯です。戦力の逐次投入など最も避けなければならないことですが、そんな能力しかないのです。これでは、「何しに来たの?」と言われておしまいです。
こうした現実無視の論議が、日本の防衛論議なのです。
反日で中韓をくくってしまいますが、事実は官製反日「中国」と私生反日「韓国」の違いを理解しないでいることは国家として大きなマイナスです。
このように、日本は国を守るという視点で見るとマイナス要素が多くプラス要素は少ないかほとんどありません。今年は、少しでもこうしたマイナス要素が減ることを願うばかりです。
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