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元自衛官の憂い The third

軍事的色眼鏡で見る世界 軍人は究極の合理主義者です。 合理主義者であるが上に、「人道」を忘れたり、犠牲にしたりすることがあります。 軍人は行動は計画的、本心を隠す、混雑する場所を避ける、計画的な金銭感覚、意志が固い、職場での信頼を得やすい、そして最後に家庭では扱いがぞんざいにされるです。 家庭ではぞんざいに扱われながらも、軍事的色眼鏡で見てしまう元自衛官の雑感などを書いていきます。
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  • :12/03/11:16

02050858 踏み絵

毎度のことですが、アメリカ合衆国様のお墨付きがなければ自分の国の領土を守る気概はないのでしょうか。タカ派を気取る首相殿ですが、しょせんはこの程度ということでしょうか。


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「尖閣諸島に関する我が国の長年の立場をはっきりさせた。米国は引き続き同諸島における日本の統治を認め、従って日米安全保障条約第5条が適用される」とマティス国防長官が述べ、日本政府は万歳したことでしょう。

安保条約第5条とは、「日本の施政権下にある領域が武力侵攻を受けた場合、アメリカはアメリカ合衆国憲法上の規定及び手続に従って対処する」とあります。

〝対処する〟とは、日本政府と日本国民の解釈は「日本防衛のために(米軍)部隊を派遣して中国侵攻軍と対決する」と理解していることでしょう。しかし、日本政府と日本国民の解釈は選択肢の一つでしかありません。

日本国民はそう思い込むのも仕方がありませんが、日本政府が安堵するのはアメリカの法律を知らないようで情けなくなります。

1973年に成立した「戦争権限法」により、アメリカの国益を大きく左右する重大な緊急事態が発生した場合、アメリカ大統領は議会の事後承認を得る前提で、アメリカ軍最高指揮官として大統領権限でアメリカ軍を海外に派遣することができます。

大統領は48時間以内に議会に報告し、戦闘期間は60日を越えない間に議会の承認を得なければなりません。大統領権限はあるものの、仮に尖閣諸島に中国軍が襲来すれば、そこアメリカ軍を送ることは米中戦争を前提とした軍事行動になる以上、大統領独自の判断ではなく「戦争権限法」に基づき対処することは明白です。ホワイハウスが何か言ってところで、安堵するのは何も知らないか、ただの自慰でしかありません。

考えてもみてください。アメリカ国民の知らない東シナ海のちっぽけな島を巡り日本と中国が対立し、中国が軍を送り武力衝突となった場合、それがアメリカの危機と認識されるでしょうか。

日米安保条約のどこをどう探したところで、「日本が軍事攻撃を受けた場合、アメリカは軍隊を派遣して日本を救援しなければならない」とは書かれていません。尖閣諸島に中国軍が来て、自衛隊と戦闘状態となり日本が敗北し尖閣諸島を奪われて、アメリカは指をくわえて眺めていても〝条約を履行しなかった〟と批判などされません。

日米の政権が変わるたびに、踏み絵のように尖閣諸島問題を持ち出す日本政府です情ない限りです。自分の頭の上のハエすら追えない日本、首相はタカ派気取りとはいかれているとしか言えず、我々国民はこうした現実を理解し、自分たちの手で頭の上のハエを追う気概を持つべきでしょう。

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