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元自衛官の憂い The third

軍事的色眼鏡で見る世界 軍人は究極の合理主義者です。 合理主義者であるが上に、「人道」を忘れたり、犠牲にしたりすることがあります。 軍人は行動は計画的、本心を隠す、混雑する場所を避ける、計画的な金銭感覚、意志が固い、職場での信頼を得やすい、そして最後に家庭では扱いがぞんざいにされるです。 家庭ではぞんざいに扱われながらも、軍事的色眼鏡で見てしまう元自衛官の雑感などを書いていきます。
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  • :07/28/23:52

01231057 領土問題への誤解

八重山毎日新聞という地方新聞の過去の記事に驚くものがありました。

http://www.y-mainichi.co.jp/news/27471/

「しかし政府が言うように中国はどこがどう脅威なのか。たかが尖閣のために中国が国の全てを失ってでも戦争を仕掛けてくるというのだろうか」

という一節は、筆者は衝撃を受けました。同紙は石垣島への自衛隊配備反対ですが、認識が甘いというよりもネトウヨさんにように、売国新聞と叫びそうです。


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領土問題が理解されないのは、八重山毎日新聞のように“たかが”という前提で問題を捉えることが原因の一つでしょう。他には、双方の主張がどちらにも正当性があるかに思えることもあるからです。

尖閣諸島が中国の手に渡れば、石垣島から170kmの距離に敵の軍事基地が作られることになります。東京から焼津、いわき、南会津といった距離感です。

尖閣諸島が中国の手に渡れば、日本の喉元に突き付けられた匕首のようになります。一朝事あらば「匕首」となっても許されるかもしれませんが、尖閣諸島で日本が譲歩すれば日本は「ちょっと脅かせば何でもする」と世界中に広まり、日本は信用を失い外交は破綻します。

しかし、領土問題で日本政府にも責任はあります。表面化しているもので北方領土、竹島、尖閣とありますが、おのおの事情が全く違っていることを日本政府は説明していません。一緒くたにして「領土問題」としているため、対応がそれぞれ違うにもかかわらず全て同じ次元で問題化しています。

尖閣諸島の現在の状況は、尖閣諸島の日本の実効支配の事実を否定することを目的としています、このまま領海侵犯行為等を繰り返し、日本の統治・施政権の実効性が世界から疑われる、尖閣諸島の日本の領有主張を崩すことが狙いです。

つまり、八重山紙の主張への反論としては、繰り返される公船による領海侵入は、こうした事実を積み重ねるのが目的だということです。こちらから見れば“たかが”でも、中国にとっては国益となる領土と認識している証拠です。

“たかが”尖閣でも、中国共産党は沖ノ鳥島の日本の領有権に疑問を口にしており、尖閣を譲れば次は沖ノ鳥島ということになるのは誰の目にも明らかです。

これだけではありません。中国は琉球は中国領土だとの主張もしており、尖閣→琉球列島・沖ノ鳥島と続いていくことになります。

八重山紙の認識の間違いはまだあります。「たかが尖閣のために中国が国の全てを失ってでも戦争を仕掛けてくるというのだろうか」と中国が戦争に打って出た場合、何もかも失うと思っているようですが、事実は中国共産党に失うものなどありません。核戦争になっても、“数億の人民の犠牲”で済むのであれば、核戦争さえ辞さない国です。天安門事件などを見ればわかるはずです。

今は金儲け優先ですから戦争にまで発展しないでしょうが、孤立主義に戻り領土拡張にひた走れば、彼らの望む時間・場所で戦争となります。

それを早めてしまうのが、領土問題の譲歩なのです。

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