元自衛官の憂い The third
軍事的色眼鏡で見る世界
軍人は究極の合理主義者です。
合理主義者であるが上に、「人道」を忘れたり、犠牲にしたりすることがあります。
軍人は行動は計画的、本心を隠す、混雑する場所を避ける、計画的な金銭感覚、意志が固い、職場での信頼を得やすい、そして最後に家庭では扱いがぞんざいにされるです。
家庭ではぞんざいに扱われながらも、軍事的色眼鏡で見てしまう元自衛官の雑感などを書いていきます。
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07291036 | [PR] |
03051731 | 題目を唱えていると幸せになれる! |
安全保障法制、続いては憲法改正と右傾化する安倍政権の象徴であるかのような刷り込みが行われています。
筆者のいう「題目」とは日本国憲法です。安全保障法が国会で議論されていた時、内容ではなく憲法に違反するのかそうでないのか議論の中心でした。
しかし、現実としては国際情勢や周辺諸国の現状から類推し、何が必要で何が不要かを論じるべきであって、憲法という謂わば紙切れが大事なのか、大事でないのかの論争にしか見えませんでした。
刷り込みが行われたのは、「戦争法案」「徴兵制」という刷り込みしやすい言葉を用いて批判が展開されたことからもわかります。
不思議なのは、戦争は相手があってのことであって、日本ばかりが自衛隊を戦地に送り殺傷するかのような印象を与えました。
印象付けとしては間違いではありませんが、現実的には日本国内を想定した場合、相手の都合によって戦争を仕掛けられる可能性がゼロではありません。
現実問題として、尖閣は我が領土と力による現状変更を狙う国が存在しています。最悪なのは、そんなものくれてやればいい! といった論調まで出ています。
日本では領土問題に非常に鈍感ですが、他国では領土問題が戦争に繋がると理解しているからこそ慎重であり、敏感に反応しているのです。
日本が抱える北方領土、竹島の領土問題が相手国が高飛車に出るのも当然なのです。高飛車に出られると、日本ではどういうわけか傲慢不遜な態度だと批判しますが、日本が尖閣諸島に対する態度では中国が日本は傲慢不遜だと映っていることでしょう。
ただ、尖閣諸島の問題は領土問題だけでなく、自国領土だと主張する国が覇権主義国家であり、「力」こそが正義だと勘違いしている国であること。そして、その国家の手先が核開発・ミサイル開発にいそしんでいる事実を第一に考えなければなりません。
北鮮による日本人拉致問題が、全く解決しないのは憲法で「国際紛争を解決する手段としては、永久にこれ(武力)を放棄する」と謳っているからなのは明らかです。ですから、竹島などは奪われたままであり、そこに大統領が上陸して「謝りに来るのは日王」などと平然と言っていられるのです。
国際法から見ても、他国民を拉致誘拐するのは戦争行為です。しかし、日本は何をしてきましたか? 解決させると国会議員は簡単に口にしますが、これまでの歴史が示すように、拉致誘拐に北鮮の関与が疑われたにもかかわらず、それを黙殺してきたのは解決を口する国家議員です。北鮮が拉致誘拐を認めたら、今度は「解決する」とは、どの口が言わせているのでしょうか。能力以前に、人間として欠陥があるのではないでしょうか。
それなら、「我が国は憲法の制約で解決はできません」くらいの発言をしても許されるはずです。でも、それすらもしないのは詐欺行為のようなものです。与野党ともどの政党の議員も口にしないのですから、全く救いようが無い現実です。
筆者が懸念するのは、漁民の肩書を持つ民兵が行動を起こした時です。いわゆる「グレーゾーン事態」です。民兵が尖閣諸島の領海での行動が目立ち、上陸すら想定される事態となった場合、日本政府は「警察行動」を選ぶか、それておも「防衛行動」を選ぶか迷う事態に陥った場合です。
珊瑚密漁問題で国会議員の中に、「自衛隊を出せ!」といったことを口走っていたとされる報道もありました。これはこれで一見間違いではないような印象を与えますが、密漁を取り締まるのは漁業法に基づくものであり、国内法執行機関の役割です。
仮に、あの時点で自衛隊を出していたら、自衛隊は軍事行動ではなく警察行動しかできなかったのです。切り札であるべき軍事力のカードを切ってしまうとのと同じことです。
小競り合い程度で自衛隊という切り札を先に切るのは、相手国に対し口実を与えてしまいます。
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