元自衛官の憂い The third
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05270947 | 狂気の世界へようこそ! |
トランプのキングは「」はカール大帝、「♦」はカエサル、「♠」はダビデ王、「♣」はアレキサンダー大王を表しているそうです。
アメリカ大統領候補になるかもしれない、ドナルド・トランプ氏はかつての王のどれになるのか気がかりなところです。これは、私だけでなく世界中に広まりつつあります。カエサルにならないければいいですが、これまでの発言を見るとカエサルに近い存在になる可能性が高いです。
大統領になれば、日本の核保有を認めるかのような発言を繰り返すトランプ氏ですが、日本の核開発は現実味がない夢物語です。確かにロケット技術は世界トップレベルにはありますが、核兵器はまったくノウハウがありません。カネもありません。おまけに仮に完成したとしても実験もできません。無い無い尽くしで、核保有ができるはずもありません。
こうした問題を抜きにして、仮に日本が核保有するとしたら何が起きるのか考えてみます。
「核兵器拡散防止条約(NPT)」をご存知でしょうか。米・英・仏・露・中の5大国のみの核保有を認め、その他の国家の核兵器保有は認めないという不平等条約です。
しかし、これはあくまでも表向きの話。この裏には、かつての枢軸国である日本とドイツに核兵器を持たせないという目的があるのです。
5大国のほかに、インド・パキスタンが核保有国であり、イスラエルの核保有は公然の秘密です。こうしたことからも、NPTの目的がわかるというものです。
NPTは1968年につくられ、70年に発効しました。日本では70年に署名し76年に批准しました。日本とドイツの首に鈴を付けるようなものです。
今でこそうやむやにされていますが、70年代初め米中が国交回復すると、日本に対する足並みがそろっていました。その名残が、中国でもいまだに口にされる日本の「軍国主義」です。日本人として忘れてならないことですが、米国が日本に駐留軍を置くのは、日本という猫の首に鈴を付けているという目的も理由の中にあるのです。
仮にトランプ大統領が誕生し、日本の核開発を認めるような動きに出て、日本がその気になったかのような動きを見せた場合、世界中は黙ってはいないでしょう。というよりも、米国を除く英・仏・露・中は国連で日本制裁に動くでしょう。表立って敵対的行動を取るよりも、国連を使って動けば世界中に日本の暴走、軍国主義だとして非難できます。
制裁決議がなされれば、日本はエネルギーの輸出も絶たれます。
これだけではありません。常識的に考えれば、日本が核を持つことはどこに照準を合わせるのか…中国が絶対に黙っていることはないでしょう。
核開発施設への限定空爆どころか、核開発に踏み出し、駐留米軍が少なくなるか、いなくなり、安保条約もどうにかなっていたら日本に対し軍事行動を取ることは必定です。もしかしたら、北鮮が日本の味方になるかもしれません。
日本の核保有は、これほど非現実的なのです。トランプ氏の主張に、ほくそ笑む日本の保守層も存在しますが、それは何も考えていないどころか日本を破滅に導こうとしているのです。
日本の核開発は北鮮のように世界の孤児になるかどうかがかかった重大な問題であり、検討されるような現実味はありません。仮にトランプ大統領が就任し、日本に核開発を認めるような動きを見せても、米国を除く5大国の中から日本が核開発しないでも済む方策を考えてくれる国が出てくることでしょう。目的は日本に友好的なものではなく、単純に核を持たせたくないというものですが、表向きはあくまでも米国に見放された日本を救済するという形が採られます。
私たち日本人は忘れていますが、5大国の中には日本が世界に対し発言力を持つことを好ましく思わない国があるということを思い出すべきです。考えたくはありませんが、極東の小国に住むサルが核を持ち、発言力が持たれるのは悪夢だと考えている国が実際にあるのです。
ユダヤ人排斥が世界中で繰り広げられたことは、以前に取り上げましたが、その反対にユダヤ人を国に招き大きく飛躍した国もありました。日本が核開発に動き出せば、ユダヤ人を招いた国のように接してくれる国も出てくることでしょう。しかし、日本がかつてのユダヤ人のように災いの根源のように扱われることもあるのです。どちらを採るかにより、日本の未来は大きく変わります。
それほど重大なことを軽々しく口にする大統領候補…その存在は他国という立場でも認められるものではありません。狂気の大統領候補と言うべきほどの人物です。
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