元自衛官の憂い The third
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01131705 | トモダチの本音 |
総選挙で自民党に勝利させてしまったツケは、今年、様々な形となって国民に課されることでしょう。
軍事問題をかじった身から、安倍晋三という政治家の目指す「集団的自衛権」については危険なため反対です。
集団的自衛権とは平たく言えば、ご近所付き合いの延長です。
「私は安倍さんが困れば助けるが、安倍さん以外の家で何が起ころうが知らない」では、ご近所付き合いではなくただの〝ポチ〟です。
財政が火の車で軍縮に手を染めた米国のポチになるということは、世界の人々のためではなく米国政府の国益を守らされることも考えられるため敢えて私は安倍晋三という政治家の集団的自衛権行使容認には反対です。
集団的自衛権行使容認を働きかけ、米軍に対する後方支援から一歩進んだ軍事的貢献を求めていたのは米国です。
世界の警察官を自負していた米国ですが、財政的には火の車。世界の警察官を降りると一極支配が崩壊し、世界は混沌として状態になりかねません。
事実、米国の財政問題と長引くテロとの戦争から手を引くことになりましたが、その結果としてイスラム原理主義者の跳梁を許すことになり、フランスで起きたテロ事件へと繋がって行くのです。
米国は新しい世界戦略を「集団行動」(collective action)という表現を使っています。
昨年夏、イスラム国を壊滅させるとして有志連合を発足させましたが、これが米国の掲げる「集団行動」の戦略に基づくものだと私は見ています。
責任を分担して空爆を実施するまではいいのですが、軍事的には空爆後の地上軍の侵攻が不可欠ですが、どの国も地上軍の侵攻までは想定していないようで、空爆の意味がないという現実があります。
とすると、日本は尖閣諸島という火薬庫を抱え、米国が「助けに来てくれる」と信じ健気に待つことは正しいことではないように思えます。
東日本大震災で「トモダチ」であることを証明して見せてくれたかのようですが、歴史を振り返るとのん気に「トモダチ」とも言っていられないことに気付かされます。
ベトナム戦争後、米国は多くの犠牲を出しながら敗戦。国力はがた落ち、そんな中、日本は経済発展を遂げ世界第二位の経済大国となるや、「日本は日米安保にただ乗りしている」との大合唱が始まりました。
冷戦下、「米国は共産主義者どもと戦ってきたのに、日本はその間に金稼ぎに勤しんでいやがった」という認識が安保ただ乗り論を生みました。
冷戦が崩壊すると、跳ね返りの指導者たちが跋扈し出し、イデオロギー対決から宗教・民族対立が表面化すると、米国は日本に対し目に見える支援をするよう要求してきました。
湾岸戦争後の非難、それを恐れて押っ取り刀で掃海部隊をペルシャ湾に送り、イラク、インド洋へと自衛隊を送りました。
ペルシャ湾への派遣以降、日本は軍事的貢献を拡大しながら日米安保体制を維持してきたのです。
米国の安保ただ乗り論は、「米国は日本を守るが、日本が米国を守らないのはおかしい」という日米安保片務論が出てきました。
日本ではほとんど報道されていませんが、かなり厳しい言葉が米国内からは出ています。
「日本はわずかな資金提供で世界最強の軍事力のサービスを受けている」「支援額(思いやり予算)が少ない」など、〝トモダチ〟とは言い難い言葉が並んでいます。
「日本は、米国以外にまともな同盟国を持っていない。核兵器に絡む選択肢も確実に有していない。日本は米国以外に同盟国がおらず、他に真の友人もいない。(中略)日本が米国に便宜を図っているという考えはナンセンスだ。日本は防衛協力から何を得ているか直視すべきだ。米国は日本に代わって犠牲を強いられていることを認識している。(中略)米国人に『ありがとう』と言うことがとても役に立つことだろう」
どう思われますか?
これが、米国の〝トモダチ〟の本音なのです。
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