元自衛官の憂い The third
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07311025 | 新型コロナウイルス第2波? |
緊急事態宣言解除後の新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。
個人的には日本人の稚拙さが招いているような気がしています。
SNSなどでは他人にはとにかく攻撃的・否定的な言葉を投げつけるのに、自分のことは「ありのまま」で良いと肯定する姿勢が目立ちます。立場を有利にするために、怒りをぶちまけて動物のように威嚇しまくる。野良犬や野良猫のように…。
私は日本人は、自らの手で〝民主主義〟を獲得していないため、真の民主主義というものを理解できていないと思います。かくいう私もその一人です。
これまでは、それが有利に働いてきました。かつての日本のように、揃って右へ倣えではないという方向性を保持し続けてきました。
新型コロナウイルスの感染の再拡大は、他者と共生するという前提を持たない人が増えてきている証左です。個人としては、先が限られた身ですので問題視しなくとも良いと思いがちですが、自分の子や孫の代を考えると心配になります。
「ありのまま」という言葉が、ディズニーのアニメの中で流行しましたが、現実的には「ありのまま」だけで人生を乗り切ることはできません。これはある程度、年齢を積み重ねることで理解できます。たとえば、『仕事での自分』と『プライベートでの自分』という二つをどう共存させるか日々葛藤しています。仕事・プライベートをどうバランスを保つか、さじ加減を学んでいきます。
これがスケールを広めると、社会と自分との関係性を構築していきます。公共の福祉と自己利益のバランスを保つように、適切な比率を身につけるべきですが、これが全くできていない。その結果として、新型コロナウイルスの感染再拡大を招いているのです。
「誰かがやらなければ…」という使命感を持つ人が一定数存在して、社会は成立し前進していきます。
家族や共同体意識の喪失で、個人レベルでのこうした思考を持つ人が減少し、「公共の福祉」を大き基準を拠り所にしてしまい、生活する場の社会から「国」という大きな基準で物事を見るようになり、こうした人たちがナショナリズムや極端な左翼思想に走ってしまっているのが今の日本です。
経験不足のまま大人になっている。これは、当然、私もその一人だと認識しています。
感情を抑制して周囲から気づいてもらえない、気遣われないよりも未成熟、利己的、すぐに怒る(キレる)ことで、周囲から注目され気遣ってもらえる。これらを平たく言えば、子どものままで大人になることが〝得〟なのです。成熟する、成熟しなければならないという動機がこれで完全に失われてしまいます。
これは大変残念なことですが、政治家にも当てはまります。異論と対話を重ね、より良い落とし所を模索しない政治が当たり前のようになっています。議論や対話ではなく、感情的な反発しかしません。与野党ともにです。未成熟な国民の目には稚拙だと映りますが、政治に興味を持つ人は成熟していないため、より感情的に反発する姿を目にしてより評価してしまいます。安倍首相はこれに完全に当てはまります。
安倍首相が幼稚だというわけではありません。たぶん、彼はこのことを理解している。政治的に有効だとわかってやっているのだと思います。対話しない政治家を演じているのです。それが人間として評価される、されないではなくキャラとして演じているのです。
社会全体が稚拙化しており、それが新型コロナウイルスの感染再拡大に繋がっている。これこそが、今注目すべき点ではないかと私は認識しています。
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