元自衛官の憂い　The third

「お家騒動」と言えば、最近では大塚家具父娘の経営権争いがありました。現代では〝殺す〟という手段まではいきませんが、裁判沙汰になることはあります。「お家騒動」の延長が、金正男氏暗殺事件だと思いますが、謎が多過ぎて伝えられいる情報からは判断できません。

ただ・・・日本国民はほとんど危機感を持っていませんが、かなりヤバイ状況に立たされています。気が付いたら焼け野原でした、ということも可能性としてはゼロではありません。

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私が最も懸念しているのは、未だに具体的な「政策」を明らかにせず、「大統領命令」を乱発するトランプ政権が、支持確保のために北鮮の脅威をまくし立てて軍事行動に出る事です。

当然、そうなれば日本にも対応を求められることになりますが、日本は北鮮のミサイルが集中し、核弾頭だけでなく生物兵器、化学兵器弾頭なども使われるのではないでしょうか。

中国の立ち位置がハッキリしていないのは不気味ではあります。中国の保護下にあったとされる金正男氏が暗殺され、中国の面子丸つぶれ状態のはずですが、直情径行の中共政府が何らアクションを起こさないのはなぜなのか。

一つの見方ですが、中共政府がアメリカ政府に対し、その影響力を見せつけるために金正男氏は生贄にされたとも考えられます。中共政府は石炭の輸入制限を実行するようですが、中朝間の貿易は「石炭」だけではありませんので、穴埋めは他の物品が充てられることも考えられます。

オウム真理教によるテロ事件の中川智正は、VXガスが使われたと早い段階から推測していたようですが、私は純度がかなり低かったのではないかと考えています。殺害に使われたのはVXガスと特定されたようですが、「人類が創った化学物質の中で最も毒性の高い物質」といわれるほどのものですが、暗殺犯が素手で塗ったような報道もあり、VXガスを北鮮が暗殺用に改良したものを使った可能性あります。

しかし、暗殺が目的の殺害方法では即効性の毒物は使用されることは稀です。なぜなら、目的達成を知るのは容易になりますが、犯行を隠蔽する時間の猶予が少なくなります。その影響だと思われますが、関係者を特定するのが早かったのはこのためです。

そこまで殺害を急ぐ理由があったのでしょうが、早い時期に身柄確保された場合を想定して「イタズラ動画」を撮るのが目的だったと言い訳を事前に考えていたのかもしれません。

1987年11月に北鮮によるテロ「大韓航空機爆破事件」と比べ、今回の暗殺事件はずさん、というよりも〝お粗末〟極まりないものです。北鮮の工作機関ではなく、寄せ集めの素人集団がVXガスを支給され計画したと感じるほどお粗末です。

暗殺司令から5年が経っているともいわれ、5年で何をどう計画していたのかさえ怪しくなります。

核・ミサイル開発（というよりは技術導入）予算のために、工作機関のレベルが下がったとも考えられます。2002年以降、日本周辺海域では北鮮の工作船の活動は伝えられていませんが、2002年以降北鮮は核開発が急がれた時期と符合します。2002年アメリカ特使が派遣され、北鮮の核開発が確認されました。翌2003年1月NPTから脱退を宣言、2005年7月長距離弾道ミサイルを発射、2006年初の地下核実験と繋がります。

集められる情報を収集し分析し日本は治安・国防に活用しなければなりません。それが、出来ているのか・・・右翼が小学校を作るのに関与した疑い持たれる安倍さんですが、それは大問題ですが、安倍さんだけでなく与野党のセンセイ方、日本のお隣で何が起きていて、どこへ向かおうとしているのか見つめ直し、大本営発表ではなくチャーチルのように真実を伝え団結を訴えるべきではないでしょうか。