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元自衛官の憂い The third

軍事的色眼鏡で見る世界 軍人は究極の合理主義者です。 合理主義者であるが上に、「人道」を忘れたり、犠牲にしたりすることがあります。 軍人は行動は計画的、本心を隠す、混雑する場所を避ける、計画的な金銭感覚、意志が固い、職場での信頼を得やすい、そして最後に家庭では扱いがぞんざいにされるです。 家庭ではぞんざいに扱われながらも、軍事的色眼鏡で見てしまう元自衛官の雑感などを書いていきます。
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  • :09/08/07:31

02230956 「敵基地攻撃」は簡単ではない!

気持ちはわからなくもありませんが、また自民党内から「敵基地攻撃」を検討すると言い出しました。本土決戦から外征という戦略の大転換です。言葉でイメージするほど簡単なことではありません。


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北鮮のミサイル発射を受けての発言だと思われますが、北鮮がどれだけのミサイルを持っているか全くわかっていません。敵基地攻撃(策源地攻撃)の対象はミサイル基地となりますが、湾岸戦争ではイラク軍のミサイル基地を多国籍軍が断続的に攻撃しましたが、囮なども多く、目標を発見したのはデルタフォースやSASなどの特殊部隊でした。航空攻撃でミサイルを無力化できなかったというのが現実です。

日本には空自の偵察機、陸自の特殊作戦群などがありますが、偵察機と特殊作戦群を使いどれだけミサイルを発見できるかの保証はありません。

さらに攻撃を担う空自にはF-2戦闘機が3個飛行隊だけです。「平成の零戦」「バイパーセロ」などと呼ばれているそうですが、空対艦攻撃が主目的で、空対地攻撃をどれほど訓練しているか・・・全くしていないと思われます。「零戦」でも「ゼロ」でもけっこうですが、対地攻撃経験零、ゼロとは皮肉なものです。

三沢基地に米第5空軍第35戦闘航空団が駐留しているますが、第1314戦闘飛行隊がF-16CJDJブロック50が配備されおり、空対空、空対地、敵防空網制圧任務に当たります。空自のF-2をこのレベルにまで上げないと、策源地攻撃能力を持ったとは言えません。

対地攻撃訓練となれば騒音問題や危険な飛行だと批判も出るでしょうから、訓練まで行き着くにも容易ならざる状態でしょう。

本土決戦を外征軍に仕立て上げるには、数知れないハードルを乗り越えて行かなければなりません。これは、戦略の大転換というわけですから、当然、容易ではないのです。

F-35に期待できなくもありませんが、40機程度の保有であり、仮に追加されても訓練問題を解決しなければなりません。

巡航ミサイルという選択もありますが、目標発見までどうたどり着くか問題が残ります。

自衛隊は兵力を減らし続ける一方で、任務(仕事)は増える一方です。戦略転換には〝カネ〟がかかります。そのカネをどう賄うのかという問題も考えなければなりません。

以上のように策源地攻撃は簡単ではありません。

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