元自衛官の憂い The third
軍事的色眼鏡で見る世界
軍人は究極の合理主義者です。
合理主義者であるが上に、「人道」を忘れたり、犠牲にしたりすることがあります。
軍人は行動は計画的、本心を隠す、混雑する場所を避ける、計画的な金銭感覚、意志が固い、職場での信頼を得やすい、そして最後に家庭では扱いがぞんざいにされるです。
家庭ではぞんざいに扱われながらも、軍事的色眼鏡で見てしまう元自衛官の雑感などを書いていきます。
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12261004 | 威嚇 |
ネコが「シャー」と鳴く(音を出す)ことがあります。ネコを飼っていらっしゃる方はわかると思いますが、飼っていらっしゃらない方のために説明しておきます。
ネコはみんながみんな「シャー」と威嚇するわけではありません。人間もネコも動物ですから、のんびり屋もいれば神経質、臆病な性格のネコもいます。ですから、のんびり屋さんはめったに威嚇などしませんので年に数回聞くといった程度です。ところが、神経質だったり臆病だったりすると年がら年中、場合によっては飼い主さんに向かって威嚇してきます。
ネコが威嚇する場合、その原因として以下のものが挙げられています。
◎恐怖心、敵意を感じたとき
◎縄張りに入られたとき
◎弱っているとき(病気や出産など)
ほかに飼い主さんに威嚇する場合は、ネコが不快に感じるなにかをしたとき。このようなことは、複数のネコを飼っていると日常茶飯事です。
韓国海軍駆逐艦がしでかしましたが、私は威嚇だったのだと思います。哨戒機を追い払いたかった…これが、今回の事件の原因と推測しています。それが、協定や国際常識に照らし合わせてどうかは、お国のレベルの差ですからここでは云々する気はありません。当然の結果なのですから。
韓国海軍は遭難した北朝鮮漁船の捜索に当たっていたと説明していますが、北鮮のあんなボロ船に無線機などあるのでしょうか? それに、大和堆であれば海保にも支援等の依頼があって当然です。でも、韓国は完全に北鮮の一出先機関に成り下がったのが良くわかります。
冷戦たけなわの頃、空自のスクランブルや海自艦艇による旧ソ連海軍艦艇の監視が頻繁に行われていました。爆撃機の銃口や艦艇の砲口などを向けられていたということも起きていました。これが威嚇です。「縄張り」に入ろうとする者への警告です。最前線では意地の問題になります。威嚇されて引き下がるか、一定の間隔を維持して追尾し続けるか。
当時はレーダーで威嚇することはしませんでしたが、今はレーダーを使うためにバレてしまいますし、威嚇された側も対応した受信機を持っているため証拠も残ってしまいます。今回の問題では、海自がどこまで情報開示するかです。海自の能力を明かしてしまう可能性もあり、具体的な証拠は出されないと思われます。つまり、言い逃れてしまう可能性が高いということです。
それよりも怖いのは、国際慣習が通用しないばかりか、仮にも友好国の航空機にレーダーを照射するという本国に戻れば懲戒処分ものの行為をする士官がいるということです。日本では懲戒処分ですが、韓国では軍法会議が開かれることでしょう(今回の事件では開かれないでしょうが)。
こうした行為が行われたのは、韓国政府の指示が徹底されていない。政府の指示に従わない。このどちらかがレーダー照射という事態を生んだのです。徴用工問題で損害賠償を命じた判決が出されたましたが、一連の韓国の動きを見ると日本を友好国とは考えていないという結論が出てきます。
韓国海軍は海自哨戒機が〝(駆逐艦)上空を飛行した〟とこれを威嚇と言い出しています。言い訳するなら、一貫して同じことを繰り返さないと仮に自分に非がなかったとしても信用を失うだけです。日本のEEZに接近しているのですから、哨戒機が軍用艦艇であることは明らかで監視対象とするのはわかりきっています。威嚇という言葉が韓国から出てきましたが、期せずして韓国海軍は威嚇のレーダー照射だったことがわかります。
射撃管制用レーダーにはいくつかのモードがあって、照射されたからといってロックオンされたというわけではありません。射撃管制用レーダーも最初は目標が存在するかどうか「捜索」しなければなりません。「捜索」段階(モード)ではレーダー波に「常続性」はあまりなく、間欠的に広範囲にビームを振り当てます。そして目標を発見すると、精密に追尾するために発見した目標に集中的にビームを当てます。これにより、目標の航跡を捉えられるようになった状態を「ロックオン」と言われるものです。
ここから推測されるのは、韓国海軍駆逐艦はレーダー波の照射だけでなく、ロックオンしていた可能性も出てきます。映画やドラマを思い浮かべてください。拳銃を相手に向けて威嚇するシーンだとわかりやすいでしょう。拳銃の銃口を向けて「失せろ!」と言っている状態です。友好国のすることではありません。
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