元自衛官の憂い The third
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09091503 | 法的根拠を明示せよ! |
沖縄の米軍施設工事で自衛隊のヘリを使い空中から重機を搬入する準備が進められているとNHKが伝えました。
よくわからないのですが、法的な根拠がまったく不明であり、安易な自衛隊の使用は許されるものではありません。自衛隊は主権国家である日本の象徴で、土建屋さんの重機を搬入するのはお門違いもはなはだしいものです。
筆者の浅薄な知識を振り絞りましたが、自衛隊を米軍施設工事に使う根拠となる「法」は見当たりません。
防衛省が自衛隊ヘリを使うことを検討しているとの報道ですが、自衛隊は防衛省の私兵ではありません。私兵どころか、これでは防衛省の下請け業者扱いです。
法的根拠のない行動は、民主主義への挑戦です。武力組織を統括する国の行政機関が、法を無視しして組織を動かすのは将来の日本に危機をもたらすものとなります。
CH47は10t前後の吊り下げ能力が有り、重機等の吊り下げも可能です。民間のヘリ会社では、保有していない機体ですので、3t程度を吊り下げるのが限界です。
ヘリパッド建設を反対するものではありません。自国単独だけでの国防を放棄した国ですから、大国中国の脅威の前にアメリカをどう引っ張り込むか喫緊の課題です。一応、「尖閣諸島は日米同盟の範囲内」との言質をアメリカから得ましたが、それは外交辞令の可能性もあり、要望のヘリパッドは急ぎ建設しなければならないものだと思われます。
それを免罪符にして何でもできるとは思うのは大きな間違いです。集団的自衛権は次元の違う問題です。
沖縄駐留アメリカ軍は東アジアににらみを利かす存在です。朝鮮半島、台湾、南シナ海とその影響力が及んでいます。尖閣諸島での中国の力による現状変更が行われないのは、沖縄に駐留するアメリカ軍の抑止力によるものです。朝鮮半島の安定もまた、韓国駐留アメリカ軍と日本駐留アメリカ軍であることは言うまでもありません。
アメリカの覇権確保という側面もありますが、紛争を抑止してきたことも事実です。その上に、自国が担うべき国防を他国任せにした日本のツケが回って来たともいえます。日本政府はその意義を国民に一切説明してきませんでしたので、その罪はなおさら重くなります。
そこでさらに自衛隊のヘリを使って土建屋さんの運び屋をやらせるとは、さらに罪を重ねるようなものです。せめて法的根拠を示し自衛隊ヘリを使って欲しいものです。
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