元自衛官の憂い The third
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07272330 | [PR] |
08091135 | ナガサキ |
昭和20(1945)年8月9日午前11時2分。米国は長崎市に人類史上二発目の核兵器を使用しました。
推定24万人の人口の内、約7万人以上が死没。建物は約40%が全焼もしくは全半壊しました。
話題になりませんが、実は長崎への原爆投下は「誤爆」だったのです。人類史上二発目の核兵器を誤爆した米国。第二次世界大戦以降の軍の凋落ぶりは、この時から始まっていたのかもしれません。
日本ではあまり話題にされませんが、原爆攻撃の目標選定委員会は、攻撃方針を以下のように決めていました。
1)速やかに日本に対し使用する
2)目標は軍事・民間を包括した目標とする
3)事前警告はしない
米国は民間人を原爆の目標にしていたのです。
当初、原爆投下目標は小倉でしたが、小倉上空は前日の八幡空襲の煙が流れ込んで目標視認ができませんでした。原爆投下には「目視爆撃法」のみで、レーダー照準は認められていませんでした。
レーダー照準では誤差が大きく、誤爆となるのを避ける目的から目視爆撃に限られていたのです。
何度かの上空進入を繰り返しますが、煙が晴れることはなく、残燃料ギリギリで長崎へと爆撃機は向かいました。
長崎上空でも雲が広がっており、目視爆撃は無理なのがわかりました。認められていないレーダ照準での爆撃を決め、原爆を投下したのは作戦命令の照準点から3.3kmもずれたところに投下したのです。
原爆の有効半径は2.3kmですから、このずれは作戦失敗を意味していました。これは米軍にとって重大な問題です。なぜなら、効果を予測し目標が選定されたにもかかわらず、別の目標に投下したわけですから原爆投下の目的の一つが完全に失われたことを意味しています。
当然、誤爆は米国・米軍は機密扱いにされ、現在でも公にはなっていません。
原爆投下の正当性は、歴代大統領は「戦争を終わらせるための正しい決定」との見解を示しています。広島への原爆投下でもお話しましたが、米軍人の中には原爆投下を否定的に捉えている人物も少なからず存在しています。
事実からの評価もありますが、中には沖縄で出した犠牲が吹き飛んでしまったことへの腹いせもあったのでしょう。
原爆投下は、マンハッタン計画への評価、人体実験、対ソ戦略などの目的から使用(投下)されたのだと見るべきでしょう。
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