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元自衛官の憂い The third

軍事的色眼鏡で見る世界 軍人は究極の合理主義者です。 合理主義者であるが上に、「人道」を忘れたり、犠牲にしたりすることがあります。 軍人は行動は計画的、本心を隠す、混雑する場所を避ける、計画的な金銭感覚、意志が固い、職場での信頼を得やすい、そして最後に家庭では扱いがぞんざいにされるです。 家庭ではぞんざいに扱われながらも、軍事的色眼鏡で見てしまう元自衛官の雑感などを書いていきます。
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  • :07/28/21:56

10201022 ユネスコ世界遺産 ~信ずる者は救われない~

ユネスコが管理、運営する「遺産」は以下のものがあります。

・世界遺産:建築物、景観などの有形文化財の保護や継承を目的

・無形文化遺産:民族週間、芸能、風俗などの無形の財を対象

・世界記憶遺産:過去の貴重な文化の形成に関する古文書や書物など歴史的な記録資料

世界遺産、無形文化遺産は国連の条約に基づく保護活動の対象となりますが、世界記憶遺産はユネスコによる選定というだけで、強く保護されるものではありません。

記憶遺産に選定されれば、「ブランド」としてはトップブランドとなるのは間違いありません。シンボルとしてのトップブランドを得て、保存のために必要な国連資金も出ます。


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日本では「記憶遺産」について、まったく注目されてきませんでした。「世界遺産」だけが注目され、登録されることで一喜一憂してきました。

登録物件を調べると、2011525日時点では268点。主なものでは、「グリム童話」「バイユーのタペストリー」「二―ベルゲンの歌」「マグナ・カルタ」「アンネの日記」「グーテンベルク聖書」「ベートーヴェン交響曲第9番自筆楽譜」「共産党宣言」「資本論初版」などです。

中国では、「黄帝内経」「本草綱目」、故宮博物院所蔵の清代歴代歴史文書、雲南省古代ナシ族が伝えるトンパ文字による古文書など。韓国では「朝鮮王朝実録」「訓民正音解例本」「承政院日記」などです。

日本ではと言うと、日本からは推薦が無く、2010年に炭鉱記録画家である山本作兵衛の筑豊の炭坑画など697点。2012年に日本ユネスコ国内委員会が推薦し、「御堂関白記」「慶長遣欧使節関係資料」などです。

このように日本政府はまったく興味を持っていなかったのです。我々、日本国民もです。

中韓は日本とは対照的に熱心に活動を続けていました。

そこへ今回の南京事件の資料が登録されたわけです。

日本国憲法でもわかる通り、日本人はヒトに対し「性善説」で接する傾向が強くあります。「連合国」を「国連」と偽り、公明正大な国際組織だと偽り、自分たちもいつからか公明正大な国際機関だと信じ込んでしまうようになりました。

ユニセフとアグネス・チャン氏のことが話題になりましたが、そもそも国連機関=公明正大というのは、我々、日本人気質の錯覚でしかないのです。

ユネスコ=世界の科学、文化の発展に寄与する崇高な使命の国際組織だと思い込んでいますが、かつては組織を私物化してしまった時代がありました。

13年もの間、トップの座に居座り続け、反欧米姿勢で独裁者のように振舞いました。ちょっとしたサスペンスもののようなストーリーです。

ユネスコの会計検査を米国レーガン政権が強め、米国代表が立ち入り検査を予定すると、ユネスコ本部が火災で多くの書類が焼失します。パリ警察は放火と断定します。

米国はユネスコを脱退。復帰したのは2003年になってからです。この間、イギリスやシンガポールもユネスコの在り方に抗議し脱退しました。

ユネスコとはどういった歴史を持つ国際機関なのです。ちなみにユネスコの評判が上がったのは、日本人が事務局長に就任した期間です。

次に事務局長となったのが前回お話ししたブルガリア出身の女性です。

「南京事件」について日本は批判していますが、戦争という異常な状況下での資料について日本も同じ愚を犯しています。シベリア抑留の資料を推薦して登録されているのですから、日本に中国やユネスコを批判できるのかという疑問が浮かびます。

ちなみに戦争に関する資料は眉唾ものばかりです。「アンネの日記」は別格ですが、写真や伝承は資料として価値があるかというと価値はまったくありません。

南京事件では捏造された写真が数多く出回っていますが、戦時下で出回った写真の数多くが、修正、改ざんされたものが、戦争の悲惨さを伝えるものとして遺されています。

幸いにも、それらは修整・改ざんが突き止められていますが、残念ながら日本ではそうした第三者的検証は否定的です。信じ込んだら命がけですから。

従軍慰安婦同様、南京事件もまた、存在したのかどうかから、詳細な事実認定が行われないままで現在に至っているのです。

従軍慰安婦の問題点は「強制連行」があったのかどうかが問題とされてきましたが、日本政府はまった情報を世界に発信しなかったため、存在自体が否定的見解になっています。

南京事件もまた犠牲者の数が確定されず、被害国である中国が出した数字が独り歩きしてしまっています。日本では、未だに南京事件の存在の可否が論じられているのですから、中国の言葉が独り歩きするのも当然です。

今回のユネスコの一件は、日本に対する警鐘ではないでしょうか。闇雲に「国連」と名が冠されていれば公明正大だと信じ込む愚かさを捨てるべきではないでしょうか。

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