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元自衛官の憂い The third

軍事的色眼鏡で見る世界 軍人は究極の合理主義者です。 合理主義者であるが上に、「人道」を忘れたり、犠牲にしたりすることがあります。 軍人は行動は計画的、本心を隠す、混雑する場所を避ける、計画的な金銭感覚、意志が固い、職場での信頼を得やすい、そして最後に家庭では扱いがぞんざいにされるです。 家庭ではぞんざいに扱われながらも、軍事的色眼鏡で見てしまう元自衛官の雑感などを書いていきます。
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  • :07/28/04:47

04130849 たまには難しい話をしないと

 国会議員になった元自衛官佐藤正久。この人の発案で「駆け付け警護」という、意味不明な行動が自衛隊に認められるようになりました。公人ですので敬称は省略します。


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 イラク派遣時のことで「自衛隊とオランダ軍が近くの地域で活動していたら、何らかの対応をやらなかったら、自衛隊に対する批判というものは、ものすごく出ると思います」とメディアの取材に答えました。

 そして、もしオランダ軍が攻撃を受ければ、「情報収集の名目で現場に駆けつけ、あえて巻き込まれる」という状況を作り出すことで、憲法に違反しない形で警護するつもりだった。「巻き込まれない限りは正当防衛・緊急避難の状況は作れませんから。目の前で苦しんでいる仲間がいる。普通に考えて手をさしのべるべきだという時は(警護に)行ったと思うんですけどね。その代わり、日本の法律で裁かれるのであれば喜んで裁かれてやろうと」

 発言は自由ですが、この人、とんでもない勘違いしています。元一等陸佐殿に反論するという大胆過ぎる内容になります。

 そもそも、自衛隊は日本国内では「軍隊ではない」のかもしれませんが、他国では日本軍と見られています。

 自衛隊は上官の命令で行動する組織です。ことに武器を使用する際は命令を厳守することが徹底されています。

 たとえば警察官は「警察官職務執行法」第7条で武器の使用が規定されています。

 警察官は、犯人の逮捕若しくは逃走の防止、自己若しくは他人に対する防護又は公務執行に対する抵抗の抑止のため必要であると認める相当の理由のある場合においては、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において、武器が使用できる。

 とされています。警察官の武器使用は個人の判断によるものです。ですから、警察官が発砲すると警察署長等が「武器使用は正当」だとコメントするのです。

 しかし、自衛隊が武器を使用する場合、極端な表現をすれば弾を込めることから発射まで、部隊の一員で行動するため指揮官の命令が無ければ何もできません。軍隊で兵隊が勝手に発砲するようなことは、部隊として統制できない状態であり、作戦行動などできなくなります。

 軍隊の指揮官が発砲を命じた場合、それは「部隊」としての行動(応戦)ですから、「武力行使」に該当します。ちなみに、「武力行使」とは、国家もしくはそれに類する集団が、内外の対象に対して実力行使することです。

 「駆け付け警護」を防衛白書ではPKO参加5原則が満たされ、かつ、派遣先国及び紛争当事者の受け入れ同意が、安定的に維持されていることを前提に「駆け付け警護」をできることにしたと説明されていますが、相手が「国家」もしくは「国家に準ずる組織」ではないとして「駆け付け警護」は武力行使ではないと主張していますが、どのような相手でも、自衛隊が武器を使用することは「日本軍が武力を行使した」と映りますので、武力行使と解釈され明らかな憲法違反です。

 在日アメリカ軍の軍人の犯罪がニュースになりますが、個々人の行為だから「犯罪」であり、部隊がした行為となれば犯罪ではなくなります。

 さらに、陸自は国土内での武器使用が大前提ですから、海外で部隊として戦闘行動すること自体憲法に抵触するのです。

 駆け付け警護は日本国内向けの口上であって、派遣国内では通用するものではないのです。全く意味がありません。

 「白」を日本では「黒」と言い換えたところで、「白」は万国共通ですから、「白」でしかないのです。日本では「白」を「黒」と言っているだけなのです。

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